林桂

林桂（はやし けい）

林桂（1953年4月8日 - ）は、日本の現代俳句を代表する俳人の一人です。本名を政美といい、群馬県利根郡新治村（現在のみなかみ町）で生まれました。群馬県立沼田高等学校を経て新潟大学法文学部を卒業。

経歴と活動

林桂は、教員として群馬県立桐生高等学校に10年間勤務し、文芸部や俳句クラブの顧問を務めました。この期間に、画家・評論家の山口晃、俳人の青木陽介、青木重治、木村徹、山田耕司、今泉康弘など、多くの才能ある若者を育成しました。

俳句との出会いは中学生時代に遡り、高校時代には鈴木石夫が指導する「歯車」や、加藤楸邨が主宰する「寒雷」に入会しました。高柳重信が選考する『俳句研究』50句競作に登場し、早くからその才能が注目を集めました。1978年には、澤好摩、夏石番矢らと共に俳句同人誌「未定」を創刊。1998年には「吟遊」創刊に参加し、2001年には伊藤信吉、中島敏之、水野眞由美、佐藤清美らと「鬣TATEGAMI」を創刊し、代表同人として活動しています。2022年には、句集『百花控帖』により第77回現代俳句協会賞を受賞しました。

創作においては、高柳重信が行った四行俳句や詞（ことば）書き俳句など、様々な形式で俳句表現を追求しています。また、「詩学」では長年にわたり俳壇時評を担当しました。後進の育成にも力を入れており、「上毛ジュニア俳壇」の選者や全国学生俳句大会の審査員などを務め、桂夏丸、外山一機、三木悠莉といった若手俳人を見出しました。現在は、上毛新聞の「上毛俳壇」選者、佐々木泰樹育英会の「口語詩句」選考委員、群馬県文学会議副会長などを務めています。

主な著書

第1句集「黄昏の薔薇」（静地社、1984年）
第2句集「銅の時代」（牧羊社、1985年）
第3句集「銀の蝉」（ふらんす堂、1994年）
第4句集「風の國」（ふらんす堂、2004年）
第5句集「はなのの絵本りょうの空」（風の花冠文庫、2013年）
第6句集「ことのはひらひら」（ふらんす堂、2015年）
第7句集「雪中父母」（風の花冠文庫、2015年）
第8句集「動詞」（現代俳句協会、2017年）
第9句集「百句控帖」（現代俳句協会、2021年）
第1評論集「船長の行方」（書肆麒麟、1998年）
第2評論集「群馬の俳句と俳句の群馬」（みやま文庫、2004年）
第3評論集「俳句・彼方への現在」（詩学社、2005年）
第4評論集「俳句此岸」（風の花冠文庫、2009年）

主な編著

「群馬文学全集」（第3巻・第13巻）群馬県立土屋文明記念文学館、1999年・2002年
「俳句詞華集　多行形式百句」　風の花冠文庫　2019年

参考文献

大井恒行 「林桂」 『現代俳句大事典』普及版、三省堂、2008年
金子兜太編 『現代の俳人101』 新書館、2004年
川名大「林桂」『展望現代の詩歌第11巻俳句Ⅲ』明治書院、2008年

外部リンク

風の冠文庫 林桂の俳句サイト
鬣TATEGAMIホームページ
「日常に俳句を浮かべる」（「詩客」掲載作品）
現代俳句人名事典における林桂の俳句
* 林桂の句の鑑賞（増殖する俳句歳時記）

林桂は、現代俳句の世界において、独自の表現を追求し、多くの俳人に影響を与え続けています。

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