林田愼之助

林田愼之助

林田愼之助（はやしだ しんのすけ、1932年10月6日 - ）は、中国文学者であり、神戸女子大学の名誉教授です。福岡県飯塚市に生まれ、福岡県立嘉穂高等学校を経て山口大学文理学部を卒業しました。その後、九州大学大学院文学研究科中国文学専攻博士課程を満期退学し、中国文学の研究に深く携わってきました。

学術的業績

大学院では、著名な中国文学者である目加田誠の指導を受けました。1980年には、「中国中世文学評論史」で九州大学より文学博士の学位を取得しています。福岡教育大学助教授、九州大学文学部助教授を経て、神戸女子大学文学部教授を歴任し、2003年に退官、名誉教授となりました。

専門は中国文学であり、特に中国中世文学、詩、思想に関する研究で知られています。研究者向けの専門書に加え、一般読者向けの著書も多数刊行しており、中国文学の普及に大きく貢献しています。

著書

林田愼之助は、数多くの著書を執筆しています。主な著書には以下のようなものがあります。

『中国中世文学評論史』 (創文社, 1979)
『魯迅のなかの古典』 (創文社, 1981)
『中国の詩人 その詩と生涯 9 柳宗元 枯淡詩人』 (集英社, 1983)
『中国の人と思想 6 司馬遷 起死回生を期す』 (集英社, 1984/集英社文庫, 1991)
『中国の英傑 5 諸葛孔明 泣いて馬謖を斬る』 (集英社, 1986/集英社文庫, 1991)
『中国の都城 1 北京物語 黄金の甍と朱楼の都』 (集英社, 1987/講談社学術文庫, 2005)
『人間三国志』シリーズ (集英社, 1989-1990/集英社文庫, 1992)
『中国文学の底に流れるもの』 (創文社, 1992)
『三国志 風と雲と龍 曹操と諸葛孔明』 (集英社, 1994)
『現代に生きる孔明の人材学 人を発掘し、育て、活かす"人材のリストラ"の知恵』 (ごま書房, 1994)
『漢詩をたのしむ』 (講談社現代新書, 1999)
『中国文学 その心の風景』 (創文社, 2001)
『「タオ＝道」の思想』 (講談社現代新書, 2002)
『漢詩のこころ 日本名作選』 (講談社現代新書, 2006)
『史記・貨殖列伝を読み解く 富豪への王道』 (講談社, 2007)
『三国志と乱世の詩人』 (講談社, 2009)
『六朝の文学覚書』 (創文社, 2010)
『漢詩を味わう』 (日経プレミアシリーズ新書, 2011)
『中国文学 その人生の時』 (創文社, 2013)
『幕末維新の漢詩 志士たちの人生を読む』 (筑摩書房, 2014)
『曹操 「三国志」の英雄』 (清水書院, 2019)
『劉備玄徳と孫権 「三国志」の英雄』 (清水書院, 2020)
『諸葛孔明 「三国志」の英雄』 (清水書院, 2021)

これらの著書から、林田愼之助の幅広い研究関心と、中国文学に対する深い造詣がうかがえます。特に、『三国志』関連の著作は、一般読者にも読みやすく、中国の歴史や文化に親しむきっかけとなっています。

その他の活動

著述活動のほか、学会での発表や講演会など、多岐にわたる活動を通じて中国文学の魅力を伝えています。また、後進の育成にも力を注ぎ、多くの学生を指導してきました。

林田愼之助は、中国文学研究の発展に大きく貢献しただけでなく、一般読者にも中国文学の面白さを広めた功績は大きいと言えるでしょう。

参考文献

『現代日本人名録』2002年

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