林義秀

林義秀の生涯

林義秀（はやし よしひで）は、1891年（明治24年）8月25日に生まれ、1978年（昭和53年）2月5日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。その生涯は、大正から昭和にかけての激動の時代を背景に、軍人としてのキャリアを歩みました。

生い立ちと初期の軍歴

和歌山県出身の林義秀は、林多十郎の次男として生まれました。和歌山中学校を経て、1914年（大正3年）5月、陸軍士官学校（26期）を卒業。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第23連隊に配属されました。その後、1923年（大正12年）11月には陸軍大学校（35期）を卒業し、軍人としての専門性を高めました。

軍の中枢での活躍

陸軍大学校卒業後、林は歩兵第23連隊中隊長を皮切りに、参謀本部付勤務、支那駐屯軍司令部付、参謀本部員、参謀本部付（チチハル駐在）など、重要な役職を歴任。さらに、近衛歩兵第3連隊大隊長、関東軍司令部付（チチハル駐在）、兼黒竜江省警備軍顧問など、各地でその能力を発揮しました。

日中戦争から太平洋戦争へ

林は、近衛歩兵第3連隊付、支那駐屯軍司令部付（調査班長）、支那駐屯軍参謀、台湾軍参謀、対馬要塞参謀、高雄要塞司令官などを経て、台湾歩兵第1連隊長として日中戦争に従軍。その後、台湾軍研究部員、南方出張、台湾軍司令部付などを歴任し、1941年（昭和16年）10月に陸軍少将に進級しました。

太平洋戦争開戦時には、第14軍参謀副長兼軍政部長としてフィリピン攻略戦に参加。その後、第54歩兵団長を経て、独立混成第24旅団長としてビルマに転出しました。

終戦と戦犯容疑

1945年（昭和20年）2月、林は第53師団長に任命され、翌月には陸軍中将に進級しましたが、終戦を迎えました。終戦後、1946年（昭和21年）8月、戦犯容疑で逮捕され、1948年（昭和23年）1月31日には公職追放仮指定を受けました。1949年（昭和24年）11月、マニラで終身刑判決を受けましたが、1953年（昭和28年）7月に釈放されました。

親族

兄の林茂清も陸軍中将であり、軍人一家であったことが伺えます。

まとめ

林義秀は、その軍人としてのキャリアを通じて、日本の軍事史における重要な局面に関わりました。日中戦争や太平洋戦争という激動の時代を生き抜き、戦後は戦犯として裁かれるという経験もしました。彼の人生は、当時の日本の軍事と社会情勢を色濃く反映しており、歴史を理解する上で重要な人物と言えるでしょう。

参考資料

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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