枚方事件

枚方事件の概要

枚方事件とは、1952年6月24日から25日にかけて、大阪府枚方市で発生した公安事件を指します。この事件は、在日朝鮮人及び日本共産党員を中心とする約100人の集団が関与しており、北朝鮮を支持する動機から起こりました。

背景

事件は朝鮮戦争が勃発してから2周年を迎える前夜に設定され、集団は自らの記念行事を行うために集まりました。この日、彼らはひらかたパーク近くの鷹塚山で「朝鮮戦争勃発二周年記念前夜祭」というイベントを開催しました。この催しは、同地域の仲間やサポーターにとって重要な意味を持つものでした。

事件の全貌

事件は、まず大正時代の名残を残した旧陸軍工廠枚方製造所に侵入するところから始まりました。6月24日未明、実行犯たちは水圧ポンプに時限爆弾を取り付け、これを爆破しました。夜には、「前夜祭」に参加していたメンバーが小松製作所関連者を狙っての襲撃を決定します。

彼らは竹槍や棍棒を準備するために、付近の山に入り、竹や木を伐採します。そして、翌日の午前2時頃、誤って小松製作所とは全く関係のない運送会社の社長宅を襲撃しました。その際、玄関に火炎瓶を投げ込み家屋の一部を焼くとともに、車庫にも火炎瓶を投げ込むなどの暴力行為を展開し、周囲の物件も破壊しました。

誤解の背景

この事件の被害者は、大阪市都島区に本社を持つ運送会社の社長であり、小松製作所の払い下げ計画に関連した新会社を設立しようとしていたものの、実際は小松製作所とは全く無関係でした。彼の姓が「小松」であったことで、集団内で混乱が生じ、襲撃対象として選ばれてしまったのです。このような誤解は、非常に不幸な結果を招きました。

事件の結末

枚方市警察は、被害者からの通報を受けて直ちに現場に急行し、捜索活動を開始しました。その結果、初期段階で12人を現場付近で検挙し、最終的には98人が逮捕されました。大阪地方検察庁は、事件に関与した65人に対して放火未遂、公務執行妨害、爆発物に関する罰則違反で起訴しました。

裁判の過程では、6人が無罪となったものの、残りの被告は全て有罪とされて刑罰を受けました。この事件は、戦後の日本における漢字入りの問題や、政治的緊張が続く中での暴力行為を象徴するものとして記憶されています。

参考文献

1. 横幕胤行、富久公、船越信勝『吹田・枚方事件について』1954年
2. 『小松製作所五十年の歩み』小松製作所、1971年
3. 『大阪府警察史 第3巻』大阪府警察史編集委員会編、1973年
4. 李瑜煥『日本の中の三十八度線―民団・朝総連の歴史と現実―』1980年
5. 西村秀樹『朝鮮戦争に「参戦」した日本』、2019年

関連項目

• - 小松製作所
• - 祖国防衛隊 (在日朝鮮人団体)
• - 日本共産党 - 山村工作隊
• - 枚方市警察
• - 国家地方警察
• - 自治体警察 (旧警察法)

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