枝村要作

枝村要作（えだむら ようさく）は、1922年1月2日に生まれ、2004年8月11日に逝去した日本の政治家です。日本社会党の衆議院議員として、山口県第1区から5期にわたり国政に携わりました。

枝村は山口県出身で、小野田工業学校を卒業後、日本国有鉄道（国鉄）に入社しました。国鉄時代には、労働組合である国鉄労働組合（国労）の結成に積極的に参加し、広島地方本部副委員長を務めるなど、労働運動の中心的な役割を果たしました。しかし、公労法（公共企業体等労働関係法）違反により国鉄を解雇されるという苦難も経験しました。

国鉄を解雇された後、枝村は故郷である山口県に戻り、山口県労働組合評議会の委員長や山口県地方労働委員会の委員など、引き続き労働運動や労働問題に関わる活動を続けました。これらの活動を通じて、労働者の権利擁護や労働環境の改善に尽力しました。

1967年の第31回衆議院議員総選挙において、枝村は日本社会党公認候補として山口1区から立候補し、見事初当選を果たしました。以降、連続して5回の当選を重ね、衆議院議員として活躍しました。国会では、労働問題や社会福祉、地方自治など、幅広い分野で政策提言や法案審議に貢献しました。

1983年の第37回衆議院議員総選挙には出馬せず、政界を引退しました。引退後も、社会活動や地域活動に積極的に参加し、社会への貢献を続けました。1992年春には、長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。

枝村要作は、国鉄職員から労働運動家、そして政治家へと転身し、常に社会の弱者の立場に寄り添い、その権利擁護のために尽力した人物として記憶されています。彼の生涯は、日本の労働運動史や社会運動史において重要な位置を占めています。

参考文献

『議会制度百年史 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年11月。
『新訂 政治家人名事典 明治～昭和』日外アソシエーツ、2003年。

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