柊野堰堤

柊野堰堤（ひらぎのえんてい）

柊野堰堤は、京都市北区の柊野地域に位置し、一級河川である鴨川の上流部に築かれた重力式砂防堰堤です。この堰堤は、洪水や土石流、さらには地滑りを防ぐための重要な構造物として機能しています。また、土砂や水量の管理に寄与しており、地域の安全を支える役割も果たしています。堰堤の外観は、石を組んだ独特なスタイルが特徴です。

基本情報

柊野堰堤は、高橋と庄田橋の間に建設されており、別名として柊野砂防堰堤や柊野ダム、さらには鴨川の滝とも呼ばれています。この堰堤は、幅約96メートル、高さ約7メートルを誇り、計画貯砂量は15万立方メートルに達します。併せて、農業用水の採取を行うための井堰としての機能も持ち合わせており、この水は上賀茂地区の農地を経由して、上賀茂神社の境内で流れる明神川に合流しています。

安全のため、堰堤内の水深はわずか2メートルしかなく、立ち入りや飛び込み行為は厳禁です。

歴史的背景

この堰堤は、1935年（昭和10年）に起こった京都大水害の影響を受けて建設されました。この大水害では、御薗橋や五条大橋を含む多くの橋梁が流失するなど、市内で大きな被害が生じました。そのため、堰堤は地域の防災対策として必要不可欠な存在となりました。さらに、堰堤の補強として上流に「中津川砂防堰堤」が1951年に竣工しました。これは高が9.8メートル、長さが46.0メートルの堰堤であり、さらなる安全性を確保しています。

周辺環境

柊野堰堤の周辺は、数多くの時代劇の撮影地としても知られており、観光名所としての魅力も持っています。堰堤の北側には「柊野運動公園」が、右岸には「柊野ダム西側公園」が設けられており、これらの親水公園は特に休日には多くの人々で賑わっています。ただし、京都府の鴨川条例に基づいて、この地域では河川敷での打ち上げ花火やバーベキューなどの行為は禁止されています。これにより、周辺環境の保全と地域住民の安全が保たれています。

まとめ

柊野堰堤は、自然災害に対する防御の要として、また多様な利用が可能な地域資源として、京都市北区において重要な役割を果たしています。その美しい景観と合わせて、訪れる人々に自然の大切さを再認識させてくれる場所です。

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