柏木俊夫

柏木俊夫（かしわぎ としお）は、1912年9月24日に生まれ、1994年12月7日に没した、日本の著名な作曲家、音楽理論家です。東京学芸大学の名誉教授として、後進の指導にも尽力しました。

人物・経歴

兵庫県洲本市出身の柏木氏は、音楽教育の分野で多大な貢献をしました。特に、音楽理論の分野では、『和声 理論と実習』の共著者として広く知られています。この著作は、音楽を学ぶ学生にとって重要な教材となっており、現在でも多くの教育機関で使用されています。

東京学芸大学教授、東京芸術大学講師、千葉経済大学教授など、多くの教育機関で教鞭を執り、音楽教育の発展に貢献しました。旧制洲本中学校を卒業後、東京音楽学校（現在の東京藝術大学）作曲科の第一期生として入学。作曲を信時潔、クラウス・プリングスハイムらに師事し、作曲家としての基礎を築きました。

1950年には、イタリアのジェノヴァで開催された作曲コンクールで、ピアノ曲「芭蕉の奥の細道による気紛れなパラフレーズ」が入賞し、国際的な評価を受けました。この作品は、日本の伝統的な文学作品を題材にしたもので、柏木氏の作曲家としての独創性と才能を示すものです。声楽曲の分野でも多くの作品を残しています。

1985年には、長年の音楽教育への貢献が認められ、勲三等瑞宝章を受章しました。これは、柏木氏の音楽界への貢献を国が認めた証と言えるでしょう。

1994年12月7日、心不全のため逝去。その生涯を音楽に捧げ、後世に多くの遺産を残しました。

主な著書

『和声 理論と実習 1～3巻、別冊』（共著者として）音楽之友社
『二声対位法 基礎からフーガまで』1990年4月10日発行。改訂増補版 2013年5月10日発行。東京コレギウム

柏木俊夫は、その音楽への情熱と教育への貢献により、日本の音楽史にその名を刻んだ人物です。

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