柳城郡

柳城郡は、かつて中国に存在した郡で、現在の遼寧省の一部にあたる地域に位置していました。その歴史は隋代に遡り、唐代にかけて行政区分や名称が変化しました。

沿革

隋代:

北魏時代には営州昌黎郡が置かれていたこの地は、隋の開皇年間（581年 - 600年）初めに営州総管府が設置されました。しかし、大業年間（605年 - 618年）の初めには総管府が廃止され、新たに柳城郡が設置されました。

当時の柳城郡は冀州に属し、751戸を擁していました。郡内には柳城県が置かれていました。

柳城県: 開皇元年（581年）には建徳郡に属し、龍城県と呼ばれていました。その後、建徳郡が廃止されると、龍山県と改称されました。開皇18年（598年）に柳城県と再び改称されました。柳城県には帯方山、禿黎山、鶏鳴山、松山があり、渝水と白狼水が流れていました。

唐代:

唐の武徳元年（618年）には、営州総管府と改められ、柳城の1県を管轄しました。武徳7年（624年）には営州都督府と改称されました。万歳通天2年（697年）には、契丹の孫万栄によって陥落させられました。神龍元年（705年）には、都督府が幽州界に移され、漁陽・玉田の2県を管轄しました。開元4年（716年）には再び柳城に戻り、開元8年（720年）には漁陽に移りました。開元11年（723年）には、再び柳城に戻りました。天宝元年（742年）には柳城郡と改称され、乾元元年（758年）には営州上都督府となりました。

当時の柳城郡は997戸、人口3789人を擁し、柳城県を管轄していました。

柳城県: 西北は奚、北は契丹と接していました。東北には鎮医巫閭山祠があり、東には碣石山がありました。

まとめ

柳城郡は、隋代から唐代にかけて、その行政区分や名称を変えながらも、この地域の重要な拠点であり続けました。特に、奚や契丹といった異民族との関係において、軍事的な要衝としての役割も担っていたと考えられます。

参考資料

『隋書』（志第二十五　地理中）
『旧唐書』（志第十九 地理三）
『新唐書』（志第二十九 地理三）
『太平寰宇記』（卷七十一 河北道二十）

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