柳川次郎

柳川次郎の生涯と影響

生い立ち

柳川次郎（本名：梁元鍚）は1923年に釜山で生まれ、1930年に家族と共に日本に移住しました。彼が住んだのは大阪府で、そこで同国の在日韓国人谷川康太郎と出会います。彼は1941年に太平洋戦争の勃発に伴い、大分県の軍需工場へ移住し、終戦後に帰国の途に就くこととなるのですが、出国直前の喧嘩で逮捕され、日本に残ることになりました。

戦後の混乱期と鬼頭組との抗争

身寄りがない状況の中、柳川は大阪に移り、谷川と再会。彼は愚連隊に加わり、1946年に強盗罪で服役。1952年に出所後、テキ屋の吉森一家に客分として加わることになります。その後、石井組の舎弟として活動し、吉森一家との対立に巻き込まれ、最終的には柳川が吉森一家との和解を取り付けました。この出来事が、彼のその後の活動に大きく影響を及ぼしました。

1958年には酒梅組との縄張り争いに参加し、少数の組員で鬼頭組に対抗。その後、柳川組を設立しました。

柳川組の創設と武闘派としての成長

1959年にテキヤ北三尺組と提携し、その後三代目山口組に加入。柳川は一味を率い、大阪の勢力拡大に寄与しました。彼の組織は最盛期にはおよそ2000人の構成員を抱えるまでに成長し、全国にその名を知らしめました。1960年の明友会事件では主力として活躍し、続く無数の抗争の中でもその腕力を発揮しました。

しかし、1963年には恐喝容疑で逮捕され、長期服役を余儀なくされます。出所後、組の跡を谷川に託すことになりました。しかし、この決断は彼にとって苦渋の選択になりました。

第一次頂上作戦以降

柳川組は、最盛期に1700人もの組員を抱えていましたが、政府の厳しい取り締まりに直面。1965年には多くの暴力団が解散に追い込まれ、柳川組もその影響を受けて逮捕者を出し、自らの組の解散を決意しました。この決断は彼自身の心情に根ざしたもので、当時の社会情勢を反映したものでした。

引退後の活動

ヤクザから引退した柳川は、新たに魏志と名乗り、亜細亜民族同盟を創立して日韓交流に尽力しました。また、日本IBF設立に関わり、コミッショナーとしても活動しました。1991年に大阪で亡くなり、その生涯を閉じます。享年68歳でした。

評価と影響

柳川次郎は在日韓国人として初めての大物ヤクザとして知られ、彼の活動と人生は多くの人に影響を与えました。また、彼の存在は戦後の日韓関係においても重要な位置を占めています。彼の波乱に満ちた人生は、ヤクザの中でも特異なものであり、その影響は現在でも語り継がれています。

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