柳橋中央市場

柳橋中央市場とは

柳橋中央市場（やなぎばしちゅうおうしじょう）は、愛知県名古屋市中村区名駅に位置する大型の民間食品卸売市場です。この市場は、名古屋の「市民の台所」として広く認識されており、地域住民に新鮮な食材を提供しています。

概要

柳橋中央市場は、全国でも有数の規模を誇る市場で、名古屋駅から徒歩で5〜10分の距離にあります。市場の歴史は1910年にさかのぼり、自発的に生まれた万物問屋を元に作られたと言われています。広さは約4000坪で、300店舗以上が軒を連ねており、観光客にも訪れやすい立地となっています。

1999年時点では、90店舗が中央水産ビルに集まり、名古屋中央市場水産物協同組合も形成していました。1969年に開場したマルナカ食品センターには、約50店舗があり、また、名古屋綜合市場ビルにも30店舗が営業しています。これによって、訪れる人々は様々な選択肢から新鮮な食材を手に入れることができます。

この市場が特に重要なのは、単に卸売りを行うだけでなく、地元住民に密接に関わるという点です。飲食店も多く存在し、一般客をも受け入れるために市場内は賑わいを見せています。定食屋や蕎麦屋、丼屋が多い一方で、魚介料理を提供する店は限定的ですが、全国各地から新鮮な魚を仕入れる特徴を持っています。さらに、海外の魚も多く取り扱っているため、訪れる人々にとって新たな食の体験が待っています。

観光名所としても評価され、香港や台湾などで発行されるガイドブックにも登場しています。特にマルナカ食品センターでは、毎週金曜・土曜日に場内見学ツアーを行い、観光客に市場の魅力を伝えています。中心には、地域特有の海産物を扱う鮮魚店が多数あり、知多半島や伊勢湾の新鮮な魚介類を手に入れることができます。

市場内には名古屋でも数少ない地ビールの醸造所があり、訪れる人々は新鮮な海の幸と共に地ビールを楽しむことができます。また、春から夏の季節には柳橋ビアガーデンも開かれ、多くの人で賑わいます。

歴史

柳橋中央市場の起源は1886年に遡ります。この年、禰宜町通の明治橋付近に青物市場が設置されたことから始まりました。創業当時、名古屋駅は存在しておらず、名古屋市は物流の重要な拠点でした。その後、市場は発展し、1896年に西柳町へ移転しました。1903年には、商人が集まり市を運営する体制が整いました。

1910年5月27日、名古屋の実業家たちによって中央市場株式会社が設立され、西柳町の旧軍用停車場が市場の拠点となりました。このように、名古屋市の発展とともに市場も成長を続け、1960年代にはビル化が進んでいきました。

2019年には中央水産ビルが閉鎖され、その後の跡地に新たな娯楽施設が計画されるなど、柳橋中央市場はこれからも進化を遂げることが期待されています。地域住民のニーズに応えつつ、新たな魅力を提供し続ける柳橋中央市場は、名古屋の重要な文化的拠点としての役割を果たしています。

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