柳生十兵衛七番勝負

柳生十兵衛七番勝負

『柳生十兵衛七番勝負』（やぎゅうじゅうべえななばんしょうぶ）は、津本陽によって書かれた小説で、2004年に文藝春秋から出版されました。その後、この作品を原作にしたテレビドラマが2005年に放送され、高い人気を博しました。

あらすじ

物語は、徳川家康が江戸に幕府を開いて以来、愚直とも言える忠義の道を歩んできた柳生宗矩の家族に焦点を当てています。彼の嫡男である柳生十兵衛は、幼少期から徳川家光の近習として仕えており、高い剣術の腕前を持つ若者へと成長しました。しかし、二十歳の時、家光の怒りを買い、突如として追放される運命を辿ります。この追放は、実は十兵衛を隠密の任務に就かせるための策略であり、彼は全国を巡る旅に出ることになります。

十兵衛は、身の危険を顧みず不満を抱く者や敵対する者たちを討つため、破邪顕正の剣を振るいます。彼の戦いは、単なる武士としての闘争ではなく、幕府の陰謀や組織の動きとも密接に関連しています。

テレビドラマ

放送概要

このテレビドラマは、2005年にNHK総合テレビで放送されました。全6回で放送され、毎週金曜日の21時15分から21時59分までの枠で展開されました。主演の柳生十兵衛役には村上弘明がキャスティングされ、彼は近衛十四郎や千葉真一に次ぐ三代目の十兵衛として演じました。また、村上の12年ぶりの主演作としても注目されました。

物語のテーマと展開

物語は剣豪同士の戦いを中心に繰り広げられますが、単なる武士の争いではなく、徳川幕府の転覆を目指す者たちの陰謀が絡み合い、緊迫した展開を見せます。特に、作品全体を通して「痛みのある殺陣」をテーマに掲げ、リアリティのある剣術の戦いを描くことに重点が置かれています。

シリーズ化

本作は好評を得たことから、続編が制作されることとなり、『柳生十兵衛七番勝負 島原の乱』（全7回）や『柳生十兵衛七番勝負 最後の闘い』（全8回）等が放送され、シリーズとして確立されました。これらの続編もNHK総合テレビや時代劇専門チャンネル等で再放送されています。

出演キャスト

主要キャストには、柳生十兵衛役の村上弘明の他、藤原琢真（少年時代）、苅谷俊介、西岡大次郎（高野八誠）、小沢真珠（かえで）、佐々木蔵之介（由比富士太郎）等の実力派俳優が揃っています。各エピソードには、特別ゲストとして有名なキャラクターたちも登場し、ストーリーを彩りました。

制作スタッフと音楽

原作である津本陽をはじめ、脚本には池田政之、音楽には梅林茂が起用されています。また、演出は長沖渉が担当し、殺陣は久世浩が手掛けるなど、多彩なスタッフが参加して、作品の質を高めています。主題歌はジョー山中が作詞・作曲を、松田優作が歌う楽曲が採用され、作品の雰囲気を引き立てました。

このように『柳生十兵衛七番勝負』は、その深い物語性と迫力ある演出により、多くのファンに愛され続けています。

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