柳田孝義

柳田孝義（やなぎだ たかよし）

柳田孝義は、1948年3月27日に北海道札幌市で生まれた、日本の作曲家です。その音楽は、オーケストラ、吹奏楽、室内楽、合唱など多岐にわたり、現代音楽の分野で重要な存在として知られています。

経歴

北海道札幌北高等学校を卒業後、武蔵野音楽大学と大学院で作曲を学びました。この時、クラウス・プリングスハイムに師事し、さらにドイツのミュンヘン音楽大学ではハラルド・ゲンツマーに師事して作曲を研鑽しました。1969年には、第38回日本音楽コンクール作曲部門で第1位を受賞し、その才能を早くから認められました。また、オーケストラ・プロジェクトのメンバーとして、文化庁芸術祭優秀賞を2度受賞するなど、その活動は高く評価されています。

2006年には、吹奏楽曲「西風の肖像」が第1回フランク・ティケリ国際作曲コンテストで第3位に入賞しました。この作品は、ノース・テキサス・ウィンド・オーケストラによって演奏され、Mark Mastersのレーベルからリリースされており、国際的にも評価されています。

2005年には、オーケストラ作品集第一巻がノース・パシフィック・ミュージックから出版されました。その後、2009年と2015年には、コジマ録音からオーケストラ作品集と室内楽を含む作品集が出版されています。

教育活動

柳田孝義は、作曲家としての活動と並行して、後進の指導にも力を注いでいます。文教大学で教鞭を執り、現在は同大学の名誉教授を務めています。また、著書も多数あり、「名曲で学ぶ対位法」、「名曲で学ぶ和声法」、「名曲で学ぶ楽式と分析」など、音楽理論に関する書籍を執筆し、音楽教育の分野にも貢献しています。

所属団体

現在、柳田孝義は以下の団体に所属し、音楽文化の発展に貢献しています。

日本音楽著作権協会 正会員
日本現代音楽協会 正会員
日本作曲家協議会 正会員
日ロ音楽家協会 会員
日本電子キーボード音楽学会 代表幹事

主な作品

柳田孝義の作品は多岐にわたりますが、以下に代表的なものを挙げます。

管弦楽作品

クラリネットとオーケストラのための「歳時記抄」
オーケストラのための「時の記憶」
フルートとオーケストラのための「夢幻草紙」
二十絃箏とオーケストラのための「みやびうた雅歌」
ピアノとオーケストラのための「楡の木々は光を浴びて」
ピアノ協奏曲第二番「夢の変容」
ヴァイオリン協奏曲「リディアの肖像」
フルートと弦楽オーケストラのための「オーバード（朝の歌）」
ヴィオラ協奏曲「ハルモニアの祈り」
オーロラの彼方から・・・　英詩朗読を伴うオーケストラのための

吹奏楽作品

「協奏的タブロー」
「西風の肖像」
ピアノ協奏曲第3番「エールヴァリエ」
「サウンドレリーフ」
「虹の回廊」
「ブリージングフィールド」

室内楽・器楽作品

「ネレウス」ヴァイオリンのための
「流れのほとりにて」ピアノのための
「鏡」2つのフルートのための
「ヴァリュラン」クラリネットと弦楽四重奏のための
「黄昏に見たものは」フルート、ヴァイオリン、ピアノのための
「マドリガーレ」2つのクラリネットのための
「乗彼白雲」独奏尺八のための
「風の回廊」サクソフォーン四重奏のための
「ブリーシングダイアリ」金管五重奏のための
「エオリアの妖精」フルート三重奏のための
「リディアの夢」クラリネット四重奏のための
「秋のエオリア」フルート四重奏のための
「笛の森」フルートとピアノのための
木管五重奏のための五つの回廊
「ヴァリュラン」クラリネットと弦楽四重奏のための

合唱作品

混声合唱組曲「北の河」
混声合唱組曲「若い冬」
混声合唱組曲「星の仔馬」
混声合唱組曲「渚にて」
女声合唱とピアノのための「花の道」

著書

名曲で学ぶ対位法
名曲で学ぶ和声法
名曲で学ぶ楽式と分析

放送音楽

NHKラジオ第2放送の「ラジオ英会話」や「遠山顕の英会話楽習」など、放送音楽も手掛けています。

まとめ

柳田孝義は、作曲家としてだけでなく、教育者、著述家としても多才な活動を展開しています。その作品は、国内外で高く評価され、日本の現代音楽界において重要な役割を果たしています。今後も、彼の創造性豊かな音楽活動が注目されます。

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