柴国柱

明代の勇将、柴国柱の生涯

柴国柱（さい こくちゅう、1568年 - 1625年）は、明代末期の軍人であり、字を擎霄、号を峨峰と称しました。彼は西寧衛清水堡を本貫とし、その生涯は戦乱の時代における武人としての活躍に満ち溢れていました。

若き日の武勇

柴国柱は、柴伯林と趙氏の長男として誕生しました。万暦年間には、代々受け継がれてきた蔭官の制度によって任官され、西寧の守備を担当することになりました。彼は若い頃からその勇猛さと弓術の腕前で知られ、1595年には参将の達雲に従って西寧南川でヨンシエブ討伐に参加し、その武勇は軍中で群を抜いていました。この功績により、都指揮僉事に昇進しました。

その後も、西辺での異民族の侵入があるたびに、柴国柱はこれを撃退し、その軍功は高く評価されました。彼は涼州副総兵に進み、その武勇と指揮能力を遺憾なく発揮しました。松山を奪還した際には、堡を築いて斥候を配置し、異民族の侵攻に備えました。

数々の戦いと功績

1605年、松山部の銀定と歹成が兵を率いて鎮番に侵攻した際、柴国柱は救援に駆けつけ、200人以上の敵兵を討ち取り、馬や武器を多数鹵獲するという大きな戦果を上げました。1604年には、青海部の侵入に対して、游撃の王允中らとともにこれを撃退しました。1607年には、再び銀定と歹成が河西に侵攻した際、これを迎え撃ち、120の首級を上げるという勝利を収めました。

これらの功績が認められ、柴国柱は署都督僉事・陝西総兵官に抜擢されました。1608年には甘粛に転出し、永昌に侵攻した銀定・歹成の軍勢を破り、麻山湖まで追撃して160人以上の敵を討ち取りました。しかし、その後の戦いで守備の鄭崇雅らが戦死したことで、柴国柱は敗戦の責任を問われ、俸給を1年分減給されました。

その後も、オルドス部と松山部が共同で侵入してくると、柴国柱は諸将を指揮してこれを迎え撃ち、160人を斬首しました。彼の活躍は、明朝の辺境防衛において重要な役割を果たしました。これらの功績により、右都督の位を加えられ、指揮僉事の世襲も認められました。

晩年と死

長年の軍務の後、柴国柱は一時的に官を罷免されましたが、1618年に僉書都督府事として北京に召還されました。その後、杜松の後任として山海関に駐屯し、1619年には、杜松が敗死した後、チャハルのリンダン・ハーンが国境を侵犯した際には、奮戦してこれを阻止しました。1620年に瀋陽に転出しましたが、病のため故郷に帰りました。

晩年には、辺境での軍功が改めて記録され、左都督の位を加えられました。1625年、柴国柱は58歳でその生涯を閉じました。

子女

柴国柱には、以下の二人の息子がいました。

柴時享
柴時秀（1586年 - 1627年、字は維実、別号は諸峨、中軍都督府都督僉事）

参考文献

柴国柱の生涯は、『明史』巻239 列伝第127に詳しく記されています。また、柴国柱の墓誌である「大明特進光禄大夫柱国少保鎮守甘固山海掛平羌征夷両将軍印総兵官中軍都督府左都督峨峰柴公奉勅諭葬墓誌銘」や、息子の柴時秀の墓誌「明故龍虎将軍都督僉事維実柴公墓誌銘」も、彼の生涯を理解する上で重要な資料です。

柴国柱は、その勇猛果敢な戦いぶりと数々の軍功によって、明代の歴史に名を刻んだ人物です。彼の生涯は、戦乱の時代における武将の生き様を今に伝える貴重な記録と言えるでしょう。

もう一度検索