柴田利右エ門

柴田 利右エ門の生涯

柴田 利右エ門（しばた りえもん、1916年3月1日 - 1973年2月3日）は、日本の昭和時代における著名な労働運動家および政治家であり、参議院議員を1期務めた人物です。愛知県の名古屋市熱田区で生まれた彼は、1930年に名古屋市立熱田高等小学校を卒業し、同年、三菱航空機の名古屋製作所に入社しました。

彼の人生には、1937年に徴兵されるという大きな転機が訪れます。日中戦争や太平洋戦争に従軍し、これらの経験は彼の後の活動に影響を与えました。戦後、労働運動に参加した柴田は、1946年に三菱重工業名古屋機器製作所労働組合の設立に関与し、副執行委員長に就任しました。以降も、彼は様々な役職で労働組合の活動に尽力し、新三菱重工労働組合の副中央執行委員長、中央執行委員長、さらには三菱重工労働組合中央執行委員長を務めました。

また、柴田は全日本労働総同盟の副会長や、全国民間労組委員長懇談会（全民懇）の幹事、雇用審議会の委員長など、幅広い役職を歴任し、労働者の権利向上に寄与しました。これらの活動を通じて、彼は労働運動のリーダーとしての地位を確立し、多くの支持者を得ました。

1971年には、第9回参議院議員通常選挙で民社党の公認候補として全国区に立候補し、見事当選を果たしました。しかし、彼は政治家としてのキャリアを十分に全うすることなく、1972年2月に在任中に急逝しました。柴田の死去にあたっては、勲四等旭日小綬章が追贈され、従五位に叙位されました。

彼の死は労働運動に対する大きな損失であり、多くの労働者や支持者に惜しまれました。柴田利右エ門の生涯は、労働者の権利の向上に尽力し、彼自身の信念を貫いたものとして、今なお多くの人々に語り継がれています。彼の業績は、日本の労働運動や政治において重要な役割を果たし、後世に大きな影響を与え続けています。

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