柴田勝房

柴田 勝房とは

柴田勝房（しばた かつふさ）は、江戸時代後期の旗本であり、三河国本宿陣屋の3520石を有する柴田家の当主です。彼は、祖先とされる武将柴田勝家の位牌を春清寺に奉納し、初代当主柴田勝重の業績を記した文書を同寺に納めております。また、柴田家の歴史を記した石碑も建立されています。

生涯

勝房は、1700石を持つ旗本・坂本直鎮の子として生を受けました。直鎮は柴田家から坂本家に養子に入ったため、勝房の家系には複雑な経緯があります。彼は明和4年（1767年）、直鎮の大甥である柴田勝満の末期養子として迎え入れられ、17歳で柴田家の家督を継ぐことになりました。

彼の政治的キャリアは、明和5年（1768年）に徳川家治に初めて謁見したことから始まります。明和6年（1769年）には小納戸に昇進し、翌年には小姓に異動しました。また、明和7年（1770年）には従五位下出雲守に叙任されました。天明7年（1787年）には新番頭に転じ、寛政7年（1795年）には小普請組を支配する役職に就きます。寛政9年（1797年）には持筒頭を歴任し、寛政10年（1798年）には致仕して寄合肝煎となりました。

当時の記録では、彼は『寛政重修諸家譜』の編纂時における柴田家の当主として記されています。

柴田家の祖先追慕

柴田家の系譜は、未だに柴田勝家にさかのぼるものであり、勝家の孫にあたる柴田勝重は、徳川家に仕官し、大坂の陣での武功により、新しい所領が与えられ、現在の東京都調布市や三鷹市にあたる地域に荘園を構えました。柴田家の故地は、元禄年間に勝重の孫、勝門の代に三河国の本宿村に移されました。

勝房は天明5年（1785年）、春清寺に勝家の位牌を新たに建立し、勝家・勝政・勝重三代の事績を記した文書も同寺に奉納しました。この文書には、勝重が勝家の兜を祀ったことが記されており、勝淵神社（三鷹市新川）の成立に関する初めての史料となっています。さらに、この内容は寛政8年（1796年）に春清寺に建てられた「柴田家家碑」にも記録されています。

勝房の努力を通じて、柴田勝家にまつわる伝承は江戸時代中期にかけて地域に根付くことになりました。これらの追慕の活動は、彼自身の家柄や先祖に対する誇りを示すものとして、地域社会において重要な位置を占めています。

まとめ

柴田勝房は、ただの旗本ではなく、其の系譜および先祖追慕の活動を通じて、江戸時代の武士階級と地域の歴史に寄与した重要な人物であったと言えるでしょう。彼の功績や先祖を敬う姿勢は、後世にも影響を与え続けています。

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