柴田徳衛

柴田 徳衛について

柴田 徳衛（しばた とくえ、1924年1月29日 - 2018年5月14日）は、経済学の専門家として知られ、特に財政学や都市論、都市政策の分野で顕著な功績をあげた日本の経済学者です。彼は東京経済大学で長年教壇に立ち、名誉教授としても活躍しました。

生い立ちと学歴

東京都に生まれた柴田は、江戸時代から続く建材商の家に育ちました。1947年に東京帝国大学経済学部を卒業し、その後大学院に進学するも、わずか一年ほどで中退し、大蔵省に入省しました。最初は管財局で働きましたが、1949年には東京都立大学の助手として新たなキャリアをスタートさせました。

海外留学と学位取得

1951年、柴田は奨学金を得てアメリカへ渡ります。まずラトガース大学で修士課程に進み、1年でMAを取得。その後、コロンビア大学の博士課程に転入し、ここでは著名な学者たちに指導を受けました。1953年に帰国した後は、東京都立大学で専任講師や助教授を経て、1967年には教授職に就きました。

環境問題への取り組み

1963年、柴田は公害研究委員会を設立しました。この発起は、一橋大学の都留重人教授の提案によるもので、都市の公害問題に関する研究が後の日本環境会議の基盤を築くこととなりました。1971年には東京都企画調整局長に就任し、東京都知事の美濃部亮吉のブレーンとしても活動しました。

都市財政に関する研究

柴田は1974年には公害研究所の所長となり、主にゴミ問題や排ガス規制に関する課題に取り組んできました。また、1977年には「現代都市論：その経済的分析」により東京大学から経済学博士号を取得し、優れた研究者としても知られるようになりました。

定年後の活動

1980年に東京経済大学の教授に就任し、1994年に定年を迎えた後は、個人事務所「柴田都市研究室」を設立しました。退職後の1995年には名誉教授の称号を授与され、その後も多くの著作活動を行いました。

著作と業績

柴田の著書には『東京：その経済と社会』（1959年）、『現代都市論』（1967年）、『日本の都市政策』（1978年）などがあり、彼の研究は都市経済や政策に多大な影響を与えました。さらに、共著や編著としても多数の出版物に関与し、経済学の教育と実務の架け橋となるべく努力を続けてきました。

家族と私生活

柴田の妻はベティ恵美子で、彼女は金森通倫の三女であり、ジャパン・タイムズの元社長で国際ロータリーの元会長、東ヶ崎潔との間に生まれました。柴田の私生活は研究や教育に捧げられ、彼の影響力は経済学だけでなく、日本社会全体にも広く及びました。

柴田徳衛の生涯と業績は、都市と人間、そしてその経済的関係を解明する上での重要な知見を提供し、後世の学者たちに多くの示唆を与えています。

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