柴田達夫

柴田達夫は、1911年3月18日に愛媛県松山市で生まれ、1991年7月6日に生涯を閉じました。彼は昭和期の日本において、内務官僚として重要な役割を担い、建設行政の分野で顕著な功績を残しました。特に、水資源開発における彼の貢献は、今日の社会基盤を考える上で欠かせない要素となっています。

生い立ちと初期のキャリア

柴田達夫は、貴族院議員や内閣書記官長を歴任した柴田善三郎の次男として生まれました。彼は第三高等学校を経て東京帝国大学に進学し、1935年に卒業と同時に内務省に入省しました。この頃から、彼は官僚としての道を歩み始めました。

官僚としての活躍

1939年には内務事務官となり、その後、太平洋戦争後の1950年には大阪府警察長に就任しました。1954年には警察庁長官官房長、警視監へと昇進し、警察行政においても重要な役割を担いました。その後、建設省大臣官房長（1955年）を経て、1958年12月16日には建設事務次官に就任しました。彼は1961年11月1日までこの職を務め、建設行政の基盤を築く上で大きな貢献をしました。

水資源開発への貢献

1968年から1974年まで、柴田達夫は水資源開発公団（現在の水資源機構）の総裁を務めました。この間、彼は日本の水資源開発に尽力し、その後の日本の発展に不可欠なインフラ整備に大きく貢献しました。彼のリーダーシップのもと、多くのダムや水路が建設され、安定的な水供給が実現しました。

晩年と功績

柴田達夫の功績は、1982年に勲一等瑞宝章を受章したことからも明らかです。彼の仕事は、建設行政と水資源開発の両面で、日本の社会基盤を大きく向上させました。彼の業績は、現代の私たちが享受している生活の基盤となっていると言えるでしょう。

親族

柴田達夫の親族には、日本郵船会長の有吉義弥、衆議院議員・自治大臣の山崎巌、日本電信電話公社総裁の米沢滋といった著名人がいます。また、妻の光子の父は、貴族院議員や各県知事、横浜市長を務めた有吉忠一です。これらの親族関係からも、彼の家系が日本の社会において重要な役割を担っていたことが伺えます。

参考文献

『柴田達夫さんの思い出』東日本建設業保証(株) 柴田達夫さんの思い出刊行委員会、1993年6月25日
現代財界家系譜第三巻「柴田達夫」　現代名士家系譜刊行会 1970年

もう一度検索