栃木県道22号大沢宇都宮線

栃木県道22号大沢宇都宮線：日光と宇都宮を結ぶ歴史と現代が交差する道

栃木県道22号大沢宇都宮線は、栃木県日光市の大沢地区から宇都宮市の戸祭地区までを結ぶ主要地方道です。全長約17.8kmの路線は、古くからの街道筋である日光街道に沿って走り、歴史と現代が交錯する風景を見せてくれます。

歴史と交通の要衝

中世から近世にかけて、この路線の基となった古道「二ッ里街道」は、日光と宇都宮を結ぶ重要な交通路でした。明治時代には、野州人車鉄道、そして宇都宮石材軌道、東武鉄道の大谷軌道線新里・徳次郎枝線が敷設され、新里石の搬出や人々の移動を支えました。これらの鉄道は昭和7年に廃止されましたが、その跡は現在も道路の形状などに影響を与えています。昭和以降は路線バスが公共交通機関の中心を担い、現在も関東自動車が宇都宮駅と道の駅うつのみや ろまんちっく村などを結ぶ路線を運行しています。特に、宝木町以北の区間では、県道22号線とバス路線がほぼ一致しています。かつては、今市（当時）・宇都宮市境付近の栗谷沢ダムを経由し、鞍掛峠を越えて今市営業所まで至る路線も存在していました。

地域と一体となった道路

県道22号線は、日光市と宇都宮市を繋ぐだけでなく、沿線地域と密接に関係しています。北部の区間は古街道の面影を残す一方、南部は宅地化が進み、交通量も増加しています。沿線には、栗谷沢ダム、ケントスゴルフクラブ、道の駅うつのみや ろまんちっく村といった観光施設や、宇都宮市立国本中学校、宇都宮市立国本中央小学校、宇都宮大学付属特別支援学校、栃木県立宇都宮中央女子高等学校といった教育機関が点在し、地域社会の重要なインフラとなっています。また、宇都宮市域では「新里街道」や「仁良塚街道」といった愛称でも親しまれています。特に「仁良塚街道」は、宇都宮市国本地区中心部の小字である宝木本町仁良塚に由来しています。

道路状況と周辺環境

起点である日光市大沢町から宇都宮市戸祭1丁目（松原2丁目交差点）までの全区間で、国道119号と並行しています。そのため、国道119号が渋滞した場合の代替ルートとしても利用されています。また、県道22号線は、国道119号、栃木県道149号小来川文挟石那田線、国道293号、栃木県道3号宇都宮亀和田栃木線など、主要道路と交差しています。

歴史と未来

1961年に認定され、1993年には主要地方道に指定された県道22号大沢宇都宮線。歴史的な街道の面影を残しながらも、現代社会のニーズに応えるべく、日々交通を支えています。鞍掛峠を越えるルートは、1997年の鞍掛トンネル開通によって大きく変化しました。これからも、日光と宇都宮を繋ぐ重要な道路として、地域社会に貢献していくでしょう。

参考文献

* 栃木県県土整備部道路保全課 『道路現況調書 平成19年4月1日現在』、2008年。

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