栃木県道266号中塩原板室那須線

栃木県道266号中塩原板室那須線

栃木県道266号中塩原板室那須線は、那須塩原市中塩原を起点とし、板室を経由して那須郡那須町へ至る県道です。この道路は、全長65.303kmのうち、約13.742kmが交通不能区間となっています。

概要と歴史

この県道は、当初は有料道路としての構想から始まりました。企画名は「塩那道路」と「塩那スカイライン」であり、1962年に栃木県によって建設構想が発表されました。1964年には工事が開始され、1968年には那須山麓有料道路として、黒磯町板室本村から那須町湯本までの区間が開通しましたが、その後のオイルショックの影響で建設が滞り、山岳区間は廃道化の措置が取られました。1991年には有料の料金徴収期間が満了し、那須山麓有料道路は無料開放されました。

建設作業は、急勾配な地形のため民間業者では難しくなり、栃木県の依頼を受けて陸上自衛隊が施工を行いました。総延べ74,018人の自衛隊員が工事に携わり、さまざまな課題を乗り越えました。

交通状況と通過自治体

この道路は、那須塩原市を含む複数の自治体を通過します。主要な交差点には、国道400号や栃木県道369号との接続点があり、経路上には観光地や自然保護エリアも多数存在します。特に、塩原から板室間の山越え区間は「塩那道路」と呼ばれ、標高1,000メートル以上の稜線を走る美しい景色を体験できます。

現在の状況と沿線の魅力

2012年には、板室から深山園地間の整備が完了し、一般供用が開始されました。しかし、塩原から板室間の一部は依然として山岳区間として開通しておらず、状況は複雑です。通行規制も厳しいため、この区間へのアクセスは非常に制限されています。

一方で、板室から那須湯本間は観光道路としての重要な役割を果たしており、板室温泉や乙女の滝、南ヶ丘牧場、那須ハイランドパークなど、多数の観光地と結ばれています。このエリアは、那須高原スカイラインとして、観光客に人気のドライブコースとなっています。

文化的影響

また、栃木県道266号は漫画『頭文字D』でも描かれ、物語中では走り屋たちの舞台として描かれています。このことで、道路の認知度も高まり、ファンの間では特別な存在感を持っています。雑誌やゲームにも取り上げられるほど、県道の影響は多岐にわたります。

結論

栃木県道266号中塩原板室那須線は、観光地を結ぶ重要な一般県道として、歴史や文化を深く持っています。交通不能区間が存在するものの、それでもなお多くの人々に利用され、地域の発展に寄与しています。

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