栗村左衛八

栗村左衛八の生涯

栗村左衛八（くりむら さえはち）は、日本メソジスト教会の草創期において重要な役割を果たした伝道者であり、初のキリスト教式結婚式を日本で行った人物として広く知られています。彼の生涯は、会津藩士としての背景から始まり、数々の教会での活動を通じて信仰の普及に尽力しました。

初期の生涯

1849年7月20日、会津若松で生まれた栗村は、会津藩士の次男として育ちました。1864年に家業を継ぐと、1868年には会津戦争に従軍し、その後、東京で謹慎処分を受けた藩士の一人に名前が挙げられました。1873年、廃藩置県後に横浜に移住し、そこで警察官として勤務する傍ら、キリスト教に回心します。

メソジスト教会への道

栗村は1875年にロバート・S・マクレイのもとで神学を学び始め、1877年には日本人伝道者としての任命を受けました。この年、横浜で行われた年会で彼を含む9名がメソジスト宣教師として公式に認められたのです。伝道の場は福富町講義所に移り、1878年には日本初のキリスト教式結婚式を執り行いました。この結婚式では、長老派の宣教師とともに、当時の風習を超えた意義深い儀式が行われました。

牧師としての活動

その後、栗村は1881年には名古屋教会の初代牧師に就任し、続いて東京の築地教会に赴任しました。ここでの彼の活動は多岐にわたり、1883年には長老の按手礼を受け、全国規模の基督教信徒大親睦会にも関与します。また、東京英和学校の設立にも力を入れるなど、教育面でも貢献をしました。

1884年以降、栗村は横浜教会や熊本、福岡、鹿児島、名古屋など、数多くの教会を歴任しながら、メソジスト教会の発展に尽くしました。1904年から1914年には青森教会で牧師を務め、その後も茨城や千葉、群馬などの地域で教会を指導しました。

引退と遺産

1925年に牧師の職を引退し、福岡連回長老や南九州連回長老司を兼ねる中でも信仰の道を貫きました。彼は1929年に亡くなるまで、日本のキリスト教界において重要な存在であり続けました。栗村の墓は、現在も旧本庄教会の教会墓地に残されています。

栗村左衛八の生涯は、彼自身の信仰だけでなく、日本におけるキリスト教の歴史的な転機を象徴するものとなっています。その影響は、今日のメソジスト教会や他のキリスト教徒にとっても引き継がれているのです。

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