桂やまと

桂やまと

落語家「桂やまと」は、由緒ある名跡であり、その歴史は江戸時代にまで遡ります。この名跡は、三代目桂文治が名乗った「桂大和大掾藤原忠誠」に由来し、「桂大和」という表記を含めると、六代にわたって受け継がれてきました。この名跡を継承した落語家たちは、それぞれの時代で独自の個性を発揮し、落語界に貢献してきました。

桂やまとの系譜

「桂やまと」の名を継いだ主な人物は以下の通りです。

桂やまと - 後に五代目桂文楽を襲名
桂やまと - 後にリーガル万吉を名乗る
桂大和 - 後に六代目三笑亭可楽を襲名
桂大和 - 後に喜久亭寿楽を名乗る
桂大和 - 後に八代目桂文治を襲名

三代目 桂やまと

現在、三代目として活躍している桂やまと（本名：田中秀樹）は、1974年8月30日生まれの落語家です。東京都荒川区西尾久出身で、芸紋は一つ花沢瀉、出囃子は義太夫の「千両幟」を使用しています。独演会では長唄「汐汲」も用いられます。所属は一般社団法人落語協会で、芸能事務所は石井光三オフィスです。

生い立ちと学歴

荒川区の保育園、小学校、中学校を卒業後、東京都立白鷗高等学校を経て中央大学文学部教育学科心理学コース（現・心理学専攻）に進学しました。大学在学中は落語研究会に所属し、当初は臨床心理士を目指していましたが、自身の適性を見つめ直した結果、落語家の道に進むことを決意しました。

落語家への道

大学卒業と同時に、落語研究会の指導者であった七代目桂才賀に入門。厳しい稽古を経て、7ヶ月の見習い期間を経て前座となり「桂才ころ」を名乗りました。その後、2003年に二ツ目昇進を機に「桂才紫」と改名。2014年には真打に昇進し、三代目「桂やまと」を襲名しました。これは、中央大学落語研究会出身者として初の快挙でした。

芸歴

1999年3月27日：七代目桂才賀に入門
1999年11月1日：前座となり「桂才ころ」を名乗る
2003年5月1日：二ツ目昇進、「桂才紫」と改名
2014年3月21日：真打昇進と同時に三代目「桂やまと」を襲名

受賞歴

2001年：第6回岡本マキ賞
2012年：第11回さがみはら若手落語家選手権優勝

人物

桂やまとは、落語家としての活動に加えて、多様な分野で才能を発揮しています。2008年には、つんく♂プロデュースのイベントでアイドルグループに落語指導を行い、2014年には、人気アイドルに高座名を授け、古典[[落語]]の稽古をつけました。また、長唄や鳴物にも精通しており、襲名披露興行では一人で様々な楽器を担当しました。

以前はヘビースモーカーであり、酒豪でもありましたが、現在は禁煙・禁酒しています。しかし、芸人仲間や客人との交流で酒席に行く際は、ノンアルコールビールや炭酸水を好んで飲んでいます。さらに、日本心理学会認定心理士の資格を持ち、荒川区の小学校PTA会長やPTA連合会会長を務めるなど、地域活動にも積極的に参加しています。母校の中央大学では落語研究会の指導役を務め、後進の育成にも力を入れています。また、シンガーソングライターの服部名々子は従姉妹にあたります。

エピソード

長年、文化庁芸術祭で審査員を務めた長井好弘氏によると、桂やまとは大衆芸能部門で最終候補まで残ることが多かったものの、わずかな差で受賞を逃していたそうです。これは、彼の卓越した才能を物語るエピソードと言えるでしょう。

出囃子

炭坑節（2003年 - 2014年）
千両幟（2014年 - ）
汐汲（2021年 - ）

寄席やホール落語では「千両幟」、独演会などでは「千両幟」と「汐汲」を併用しています。

主な演目

（具体的な演目名は省略）

出演

舞台
朗読劇『日の名残り』（2020年） - ファラディ氏 役
映画
『高野豆腐店の春』（2023年） - 西田道夫 役

参考文献

長井好弘 演芸おもしろ帖 巻の六十『心のメモに書き留めた2025年新春の三席〜貞寿・やまと・南光　ご当地日本橋で聴いた「仲蔵」にウキウキ』
諸芸懇話会、大阪芸能懇話会共編『古今東西落語家事典』平凡社

外部リンク

落語家 三代目桂やまと Official web site
落語家 桂やまとの日々あれこれ - Ameba Blog
桂やまと (@katsurayamato) - X（旧Twitter）
桂やまと (yamato3rd) - Facebook
桂やまと (@yamato3rd) - Instagram
桂やまと - 落語協会
桂やまと - 石井光三オフィス
桂やまとオンライン落語会 - Peatix
* 落語家・桂やまと公式チャンネル - YouTubeチャンネル

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