桂枝加芍薬湯

桂枝加芍薬湯（けいしかしゃくやくとう）は、漢方の古典である『傷寒論』に記載されている処方です。腹痛、腹部膨満感、しぶり腹といった症状の改善に用いられます。

概要

桂枝加芍薬湯は、基本となる桂枝湯という処方に、芍薬の量を増やしたものです。桂枝湯自体も体を温め、血行を促進する効果がありますが、芍薬を加えることで、鎮痛作用が強化されています。これにより、腹部の筋肉の緊張を和らげ、痛みを鎮める効果が期待できます。

保険適用エキス剤

医療機関で処方されるエキス剤は、以下の効能・効果が認められています。

腹部膨満感のあるしぶり腹
腹痛

これらの症状に対して、医師の診断のもとで使用されます。

組成

桂枝加芍薬湯は、以下の5つの生薬から構成されています。

芍薬（しゃくやく）: 6.0g - 鎮痛、鎮痙作用があり、腹痛を和らげます。
桂皮（けいひ）: 4.0g - 体を温め、血行を促進する効果があります。
大棗（たいそう）: 3.0g - 滋養強壮作用があり、体力を補います。
甘草（かんぞう）: 2.0g - 炎症を抑え、痛みを緩和する効果があります。また、他の生薬との調和を助けます。
生姜（しょうきょう）: 1.0g - 体を温め、消化機能を高める効果があります。

これらの生薬が組み合わさることで、腹痛やしぶり腹といった症状を緩和する効果を発揮します。

副作用

桂枝加芍薬湯にも、まれに副作用が現れることがあります。主な副作用としては、以下のものが挙げられます。

偽アルドステロン症: 血圧上昇、むくみ、手足の脱力感などが現れることがあります。
ミオパシー: 筋肉痛、筋力低下などが現れることがあります。
発疹、発赤、そう痒感: 皮膚にアレルギー反応が現れることがあります。

これらの症状が現れた場合は、直ちに医師または薬剤師に相談してください。

相互作用

他の薬剤との相互作用については、医師または薬剤師に相談してください。

製薬会社

多くの製薬会社から桂枝加芍薬湯のエキス剤が販売されています。

小太郎漢方製薬
東洋薬行
ツムラ (60番)
本草製薬
康和薬通
大杉製薬
帝國漢方製薬
クラシエホールディングス (EK-60)
ジェーピーエス製薬株式会社

関連情報

桂枝湯: 桂枝加芍薬湯のベースとなる処方です。
神田橋條治: 精神科医であり、フラッシュバック治療に桂枝加芍薬湯と四物湯を併用したことで知られています。

外部リンク

漢方トゥデイ：頻用処方解説 桂枝加芍薬湯 (PDF)
* 桂枝加芍薬湯：おくすり110番

注意: 漢方薬は、体質や症状に合わせて使用する必要があります。自己判断で使用せず、必ず医師または薬剤師に相談してください。

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