桂枝湯

桂枝湯（けいしとう）

桂枝湯は、中国の古典医学書である『傷寒論』および『金匱要略』に記載されている漢方薬です。体力虚弱で、かぜの初期症状（悪寒、発熱、頭痛、自然発汗など）が現れている人に適応されます。

適応症

かぜの初期（体力虚弱で汗が出る場合）
悪寒
発熱
頭痛
自然発汗
太陽病（漢方医学的な病態）

組成

桂枝湯は、以下の5つの生薬から構成されています。

桂枝（けいし）：体を温め、発汗を促す
芍薬（しゃくやく）：鎮痛、鎮痙作用、血行改善
大棗（たいそう）：滋養強壮、消化機能の改善
生姜（しょうきょう）：体を温め、消化を助ける
甘草（かんぞう）：炎症を抑え、痛みを和らげる、他生薬の調整

桂枝湯は、葛根湯から葛根と麻黄を除いた基本となる方剤です。

副作用

桂枝湯には、以下の副作用が報告されています。

重大な副作用
偽アルドステロン症：血圧上昇、むくみ、手足の脱力などが現れることがあります。
ミオパシー：筋肉痛、脱力感などが現れることがあります。
その他の副作用
発疹
発赤
掻痒

副作用が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

注意事項

高齢者は、生理機能が低下しているため、慎重に投与する必要があります。
妊産婦、授乳婦、小児に対する安全性は確立されていないため、注意が必要です。
甘草を含有する製剤や、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤との併用は、偽アルドステロン症やミオパシーのリスクを高める可能性があります。

関連する方剤

桂枝加芍薬湯（けいしかしゃくやくとう）：桂枝湯に芍薬を加えたもので、腹痛や便秘を伴う場合に用いられます。
小建中湯（しょうけんちゅうとう）：桂枝加芍薬湯に膠飴を加えたもので、虚弱体質や慢性的な疲労感がある場合に用いられます。
桂枝加竜骨牡蛎湯（けいしかりゅうこつぼれいとう）：桂枝湯に竜骨と牡蛎を加えたもので、神経過敏や不眠症などに用いられます。

その他

桂枝湯は、医療用医薬品として医師の処方箋に基づいて使用されるほか、一般用医薬品としても販売されています。服用に際しては、添付文書をよく読み、用法・用量を守って正しく服用してください。

免責事項

この情報は、一般的な知識提供のみを目的としており、医学的なアドバイスとして解釈されるべきではありません。ご自身の健康状態については、必ず医師または他の医療専門家にご相談ください。

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