桂枝雀 (2代目)

二代目 桂枝雀（かつら しじゃく）

二代目 桂枝雀は、1939年8月13日、兵庫県神戸市に生まれた日本の著名な落語家である。枝雀の本名は前田 達（まえだ とおる）であり、彼の出囃子は『昼まま』である。1973年には「2代目桂枝雀」を襲名し、上方落語界での影響力のある存在となりました。彼は、3代目桂米朝に弟子入りし、古典落語をベースにしながらも、自らのユーモラスなスタイルで観客を楽しませ、関西の落語文化に大きな影響を与えた。

生い立ちと弟子入りまで

桂枝雀は、5人兄弟の4番目として家庭に生まれる。子どもの頃は神戸大空襲を経験し、疎開生活を送った。その後、学業において優秀ながらも、学びの場を超えて多くの「ちょっかい」を出す生徒であった。また、早くに父を失った彼は家庭の経済的な事情から、1955年には三菱電機に就職した。就職後、ラジオ番組への出場をきっかけに漫才に触れ、その後落語の道へと進むこととなる。

落語家としての成長

1959年に桂米朝から弟子入りの承諾を受け、1961年に「10代目桂小米」として本格的に修行を始めました。米朝の厳しい指導を受けながらも、彼はその独特な感性と熱意から短期間で頭角を現していきました。1962年4月、初舞台を踏んだ彼は、その後徐々に自らのスタイルを築いていった。のちに彼は「小米」として知られることになりますが、彼の芸は時に大胆であり、観客から「受ける」という反応を引き出しました。

襲名と人気の確立

1973年10月、桂枝雀を襲名した後、彼の落語は急速に多くのファンを獲得し、数々の独演会を成功させました。特に、彼の声や所作は観客の心に残るものとなり、演技の中での高い演技力も評価されました。特に1976年には独演会「枝雀十八番」が大成功を収め、彼の名声は不動のものとなった。以降も彼は様々なメディアに出演し、落語の界隈だけに収まらない多彩な活動を展開しました。

うつ病とその影響

しかし、華々しい活動の裏には、彼が抱えた苦悩があった。1973年、家庭や自己に対する強いプレッシャーからうつ病を発症。しかし、彼はその病気から復活し、再び舞台に立ち続けました。その中で彼は、「笑いの仮面」に頼る姿勢を持つことに考えを改めるようになりました。彼の言葉には、「楽しいことを、楽しくない姿勢で考えていた」との回顧があり、発症後は笑いの重要性を再認識したとのこと。

晩年、遺志と評価

1990年代に入り、枝雀は再び活動に専念し続けましたが、1999年に入ってからはうつ病が再発し、死去に至ります。彼の急死は多くのファンや仲間に衝撃を与えましたが、彼が残した発言や笑いは今もなお、多くの人々の心に生き続けています。米朝や他の弟子たちが語る彼の存在は魅力的で、彼がもたらした笑いの力は決して消えていないでしょう。彼の遺志を継ぐ者たちが、落語界に新たな風をもたらし続けています。彼の墓所は中山寺にあり、多くの人々にそれを訪れることを望まれています。

以上が二代目桂枝雀の生涯と業績の概要です。彼の名前は日本の上方落語の象徴であり、今もなおその存在感を示し続けています。

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