桂枝雀

桂 枝雀の概要

桂枝雀（かつら しじゃく）は日本の上方落語における伝統的な名跡です。この名跡は特に二代目桂枝雀を指すことが一般的であり、初代桂枝雀から始まっています。この項目では、初代桂枝雀に焦点を当て、その経歴や芸風、弟子について詳しく述べます。

初代桂枝雀の経歴

初代桂枝雀は1862年に大阪で生まれました。本名は入江清吉で、彼は足袋商「古滿屋」の子供として育ちました。若い頃は質屋に奉公しながら家業に関わったりしていましたが、次第に芸事に魅了され、地歌や舞踊の稽古に明け暮れるようになりました。

友人の紹介で、素人落語のグループ「緑連」に参加し、初めて「喜代丸」という名で舞台に立ちます。その後、1884年11月に二代目桂文枝に弟子入りし、桂枝雀の名を名乗り生涯この名を変えずに活動しました。1898年には真打として認められ、桂枝雀としての本格的な活動を開始します。

当時、桂派は衰退期を迎えていましたが、二代目桂南光や三代目桂文三と共に桂派を支える一翼を担いました。1912年には「寿々女会」を組織するも、人気を持っていかれたためすぐに退会し、その後「大正派」を立ち上げましたが、1916年には解散します。その後も新桂派や京桂派、様々な団体に所属し続けましたが、1926年頃に引退しました。

引退後の生活

引退後は東大阪市の布施に移り、その後は穏やかな生活を送りましたが、業界との連絡を絶ったため、彼の死期に関しては知らせがなかったと言われています。

芸風と人気

初代桂枝雀は、明治末から大正にかけてSPレコードに多く録音されており、彼の演目には小噺が多かったことが特徴です。また、独特な音楽を用いたり、「フェー」といった奇声を発したりしながら笑福亭吉右衛門仕込みの音楽を披露しました。

彼は痩せた体型で片目が不自由でしたが、その愛嬌のある高座と笑いにあふれた演じ方で桂派の中でも特に人気のある存在でした。一部では初代桂春団治以前の最高のコメディアンとも称されています。

演目の一例

枝雀の代表的な演目には『尻餅』や『借家怪談』『野崎参り』『稽古屋』『樟脳玉』などがあります。これらは落語の中でも人気のある話で、彼の独自のスタイルを感じることができます。

弟子たち

彼の弟子には桂雀四郎、三代目桂萬光、二代目桂談枝、初代桂紅雀、初代桂雀三郎などがいます。彼らはそれぞれに独自のスタイルを持ち、桂枝雀の名を引き継いで活動しました。

このように桂枝雀は、日本の上方落語史において重要な役割を果たした人物であり、今後も多くの人々に親しまれ続けるでしょう。

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