桂音也

桂音也（かつら おとや）について

桂音也（本名：今井清之）は、1935年10月4日に大阪府箕面市で生まれました。彼は1960年に朝日放送にアナウンサーとして入社し、その後、上方落語の世界に飛び込むこととなります。音也は、フリーアナウンサーとしてのキャリアと同時に、落語家としても活動を展開しました。

学生生活と初期のキャリア

音也は神戸大学を卒業後、朝日放送に入社し、様々なスポーツ番組や歌番組、演芸番組を担当しました。その傍ら、後輩たちと共に落語研究会を設立し、趣味としての落語をスタートさせました。この研究会には、桂米朝一門や漫才作家の三田純市も訪れ、古典落語の演目が披露されていました。音也は、この活動を通じて桂枝雀との出会いを果たし、彼の指導を受けることになります。

落語家としての成り立ち

音也は1967年にフリーとなり、1970年4月に桂枝雀に入門しました。彼はフリーのアナウンサーとして活動していたため、ストレートな口調を持っていましたが、その特徴を活かして旅ネタをニュース形式で語るなど独自のスタイルを確立しました。特に、新作落語や古典落語の改作を得意としており、彼の演目は今でも多くの落語家によって受け継がれています。音也が主催した「音也寄席」は、現在の「岡町落語ランド」の発祥ともなり、落語の勉強会の重要な場となっています。

晩年とエピソード

音也のキャリアのクライマックスは、彼が自分の落語会用の前売り金券を販売したことに関連しています。この行為は桂枝雀からの注意を受け、結果として破門されることになりました。しかし、彼はその後も活動を続けました。不運なことに、1978年3月25日に脳溢血で倒れ、3月28日に亡くなります。葬儀は桂枝雀が中心となって執り行い、参列者は音也の金券を香典代わりに持参するというエピソードも残っています。

代表作と影響

音也は数多くの自作落語を残しました。特に『履歴書』や『日本沈没その後』、さらに『旅の恥』などは、彼独自の視点が光ります。また、アナウンサー時代に「闘争落語」を演じたエピソードや、発表会でのトリを狙った策略も話題となりました。音也の死後も、彼の作品や影響は後輩たちや同業者によって受け継がれています。

音也の遺産

2010年には、「桂音也 33回忌追善落語」が開催され、彼の存在の大きさが再認識されました。演目は枝雀一門の若手落語家によって演じられ、座談会では彼の業績や伝承が語られました。音也は、落語の世界において個性的な存在であり続け、そのスタイルや業績が後世に語り継がれています。

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