桃山発電所

桃山発電所について

桃山発電所（ももやまはつでんしょ）は、長野県木曽郡上松町荻原に位置する水力発電所で、関西電力株式会社が運営しています。この発電所は木曽川本川の一部に設立されており、1923年に運転を開始し、現在も活発に機能しています。水路式の形式を取っており、最大出力は25,600キロワットです。これにより、地域の電力供給に重要な役割を果たしています。

設備の構成

桃山発電所は導水路を利用して落差を生み出し、発電を行う水路式発電所です。最大使用水量は37.57立方メートル毎秒で、有効落差は79.55メートルです。その結果として作り出される電力は、最大で25,600キロワットに達します。取水堰は1か所あり、その堤高は7.27メートル、幅は85.46メートルです。堰の設計には3つの土砂吐ゲートが含まれ、さらに堰の右側には魚道が設けられています。

取水口は右岸に位置し、1947年に建設された上松発電所にも接続されています。導水路は全長4,305メートルに及び、すべてトンネル構造です。この導水路には1,200分の1の勾配があり、水槽から水車発電機へと水を流し込みます。そこで使用されている水圧鉄管は203メートルの長さのものが2本設置されており、発電機は1万4,300キロボルトアンペア、周波数は60ヘルツの設計です。

歴史

最初に桃山発電所の近くで水利権を獲得したのは関清英を主とするグループであり、その許可は1907年に遡ります。この権利は翌年、名古屋電力へと譲渡され、1910年に名古屋電灯に引き継がれました。以降、この水利権はさらに複数の地点に分割され、計画が進められることになります。

水利権が確保された後、桃山発電所の開発は1922年に始まります。そして1923年には竣工し、11月7日に通水の認可を取得しました。设备には主に輸入品が使用されており、水車はスイス製、発電機はアメリカ製のものです。

関西への送電のため、発電所と須原発電所を結ぶ送電線が1923年に完備され、翌年には関東地方への接続線も建設されました。桃山発電所は電力供給の面で新しい試みを行い、東西両方への送電を可能にします。

その後、1932年には取水堰が崩壊し、復旧工事を行ったことで取水口を桃山発電所に直結させました。また、1934年には使用水量を増加させる許可を得たため、発電出力が向上しました。

日本の電力管理が国に移った際、桃山発電所は1944年に日本発送電に継承されました。その後、1951年には関西電力に移管されます。その後も発電所の設備は改善が進められ、1994年には全面的な更新工事が実施されて出力が向上しました。

このように、桃山発電所は長年にわたり日本の電力供給に貢献してきた歴史を持ち、今後もその役割を果たし続けるでしょう。

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