桐花賞

岩手競馬の祭典：桐花賞

岩手県競馬組合が水沢[[競馬場]]で開催する「桐花賞」は、サラブレッド系3歳以上の岩手所属馬限定の重賞競走です。1975年の創設以来、岩手競馬を代表するグランプリ競走として、数々の名勝負とドラマを生み出してきました。正式名称は「農林水産大臣賞典 桐花賞」。岩手県の県花である桐を冠したこのレースは、地方[[競馬]]ファンにとって特別な存在感を放っています。

ファン投票と名勝負の舞台

実施時期や出走馬選出方法が、他のレースとは一線を画しています。ファン投票で上位10頭を選出するシステムに加え、専門紙記者推薦で2頭を加えることで、まさにファンと共に作り上げるレースとなっています。このユニークな選出方法は、多くの競馬ファンの関心を集め、熱戦が繰り広げられる要因の一つとなっています。その点から、「岩手競馬の有馬記念」と呼ばれる所以も納得できるでしょう。

過去には正月に開催されたこともありましたが、ファンからの意見を反映し、近年は12月31日に行われることが多くなっています。年末の風物詩として定着しつつあると言えるでしょう。

格付けと歴史における波乱

2016年には岩手競馬の重賞格付け制度が導入され、桐花賞は最高ランクであるM1に格付けされました。しかし、2018年には、禁止薬物陽性馬の発生という不祥事が発生。この影響で、同年のレースは中止となり、農林水産大臣賞典の取り消し申請が行われました。賞金は変更されませんでしたが、レースの中止はファンに大きな衝撃を与えました。その後、2019年、2020年は農林水産大臣賞は付与されませんでしたが、2021年に復活しました。しかし、同年は積雪による馬場悪化のため、レースは中止となりました。代替開催もありませんでした。

また、桐花賞にはアングロアラブ版である「紫桐杯」が存在していましたが、2000年に廃止されています。

レース条件と副賞

2023年のレース条件は以下の通りです。

出走条件: サラブレッド系3歳以上、岩手所属馬。出走馬はファン投票(10頭)と専門紙記者推薦(2頭)により決定されます。
負担重量: 3歳55kg、4歳以上57kg(牝馬2kg減)。
賞金: 1着1000万円、2着350万円、3着200万円、4着130万円、5着70万円。着外手当は5万円。
副賞: 農林水産大臣賞、社台スタリオンステーション賞、岩手日報社賞、岩手県知事賞、奥州市長賞、開催執務委員長賞など。

特に注目すべきは、社台スタリオンステーションの協賛による副賞です。優勝馬の馬主には、ナダルの配合権利が贈られます。これは、優勝馬の価値をさらに高める、大きな魅力となっています。

終わりに

数々の名勝負、そして幾多の困難を乗り越えてきた桐花賞。岩手競馬の象徴として、これからもその歴史を紡いでいくことでしょう。ファン投票というシステムや、豪華な副賞、そして歴史的背景など、様々な要素が絡み合うこのレースは、地方[[競馬]]ファンにとって、まさに特別な存在となっています。今後の展開にも目が離せません。

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