桑世傑

桑世傑（そう せいけつ）

桑世傑は、生年不詳ながら元末の混乱期に活躍した軍人です。彼の出身地は、無為州無為県とされています。

朱元璋への帰順と初期の活躍

1355年、桑世傑は兪通海や趙普勝らと共に、巣湖から朱元璋の軍に加わりました。この時、趙普勝は二心を持っていたとされ、桑世傑がその事実を暴いたことで、趙普勝は離反しました。その後、桑世傑は朱元璋に従い長江を渡り、水軍を率いて元の水軍を破るなど、その軍事的能力を発揮しました。この功績により、彼は秦淮翼元帥に任じられました。

各地での転戦と功績

1356年、桑世傑は鎮江を攻略し、さらに金壇や丹陽といった地域を制圧しました。翌1357年には、寧国の長槍諸軍を攻撃して水陽を落とし、常州を平定するなど、連戦連勝の活躍を見せました。その功績が認められ、彼は判行枢密院事という要職に就任しました。その後も、江陰や宜興の地を攻略するなど、その勢いは留まることを知りませんでした。

張士誠との戦いと最期

同時期に、張士誠が長江を渡って平江を占領し、元帥の欒瑞を石牌に駐屯させました。1358年、桑世傑は朱元璋の命を受け、廖永安と共に石牌を攻撃しましたが、この戦いで戦死しました。

彼の死後、その功績を称え、安遠大将軍・軽車都尉の位を追贈され、永義侯の称号が贈られました。

子孫

桑世傑の子である桑敬もまた、官僚として活躍しました。彼は都督府僉事となり、徽先伯に封じられましたが、藍玉の獄に連座して処刑されました。

まとめ

桑世傑は、元末の動乱期に朱元璋の勢力拡大に大きく貢献した武将であり、水軍を率いての活躍や各地での転戦など、その軍事的な才能は目覚ましいものがありました。彼の最期は戦場での壮絶なものでしたが、その功績は後世に語り継がれています。

参考文献

『明史』巻133 列伝第21

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