桑田藤十郎

桑田藤十郎（くわだ とうじゅうろう）

桑田藤十郎は、1852年7月12日（嘉永5年5月25日）に生まれ、1905年（明治38年）8月25日に没した、幕末から明治時代にかけて活躍した人物です。素封家、政治家として名を馳せ、貴族院多額納税者議員も務めました。幼名は安之助といいました。

生い立ちと家督相続

桑田藤十郎は、伯耆国久米郡倉吉宿魚町（現在の鳥取県倉吉市魚町）で、代々藤十郎を名乗る家の息子として生まれました。15歳で父の死に伴い家督を相続し、藤十郎の名を襲名しました。

地域社会への貢献

1881年（明治14年）には学務委員に就任し、町立成徳小学校の校舎新築に資金を提供しました。翌年には久米郡会議員に選出され、その後も鳥取県会議員、所得税調査委員などを歴任し、地方自治の発展に尽力しました。

また、中等教育機関である山陰義塾の設立にも深く関わり、地域における教育の向上にも貢献しました。さらに、金融機関である倉吉融通会社を設立して社長となり、山陰製糸会社を創立して生糸製造とその改良に力を注ぎました。

貴族院議員として

1890年（明治23年）には、鳥取県多額納税者として貴族院議員に互選され、同年9月29日から1897年（明治30年）9月28日まで在任しました。この間、国政にも参画し、その見識と手腕を発揮しました。

親族

桑田藤十郎の親族には、以下のような人物がいます。

長男：桑田熊蔵（社会政策学者、貴族院多額納税者議員）
四男：桑田芳蔵（心理学者）

まとめ

桑田藤十郎は、地域社会の発展に尽力しただけでなく、教育、金融、産業の分野でも多大な貢献をしました。その業績は、現代においても高く評価されています。

参考資料

広田三郎『実業人傑伝 第1巻』実業人傑伝編輯所、1898年。
大植四郎編『明治過去帳』新訂初版、東京美術、1971年（原著私家版1935年）。
『鳥取県大百科事典』新日本海新聞社、1984年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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