桑野道路

桑野道路（くわのどうろ）

桑野道路は、地域高規格道路である阿南安芸自動車道の一部を構成し、阿南ICから桑野ICに至る区間を指します。現在は調査区間として位置づけられており、未だ開通には至っていません。一般国道55号のバイパスとしての役割を担うことが計画されています。

概要

桑野道路は、徳島南部自動車道、福井道路、日和佐道路といった他の道路と一体となり、徳島県南部の高速道路網を形成する重要な路線です。阿南市周辺の既存の幹線道路である国道55号は、東方面への大きな迂回を余儀なくされる区間がありますが、桑野道路を含む高速道路路線は、より直線的なルートで結ばれるように設計されています。この道路の実現は徳島県の悲願であり、2008年には県が主体となって整備を行う意欲を示していましたが、2011年4月には国土交通省が事業主体となり、国直轄整備道路として事業化されました。

路線情報

起点: 徳島県阿南市下大野町渡り上り
終点: 徳島県阿南市内原町桜木
全長: 約6.5 km
阿南IC - 長生IC：4.4 km
長生IC - 桑野IC：2.1 km
規格: 第1種第3級
道路幅員: 12.0 m
車線数: 2車線
車線幅員: 3.5 m
設計速度: 80 km/h
通行料金: 無料
計画交通量: 13,700 台/日
(参考) 当道路整備後 - 既存国道55号阿南道路 想定交通量：8,400 台/日

整備効果

桑野道路の整備によって、以下のような効果が期待されています。

所要時間の短縮: 阿南IC - 小野IC間の所要時間が、従来の27分から整備後には12分へと大幅に短縮される見込みです（66%短縮）。
既存道路の混雑緩和: 国道55号阿南市役所付近や徳島県道24号羽ノ浦福井線上中町交差点などの交通集中箇所の混雑が緩和され、安全性と沿道環境の向上が期待されます。
二酸化炭素排出量の削減: 渋滞緩和により、二酸化炭素排出量が年間5,000トン削減されると試算されています（未整備時117.5千トン→整備後112.5千トン）。
緊急搬送時間の短縮: 徳島県西部地域においては、既に30分圏内での搬送が達成されています。
第三次医療施設への30分圏：従来25 km（国道195号交差付近）→整備後31 km（小野IC付近）
同60分圏：従来50 km（JR日和佐駅付近）→整備後56 km（牟岐町役場付近）
防災機能の強化: 東南海・南海地震による津波被害を回避するための避難路および緊急物資輸送路としての役割が期待されます。
阿南市内の津波浸水想定エリア：橘湾周辺（福井地域、橘地域、見能林地域等）
阿南市内の浸水が想定される交通：国道55号、阿南道路、JR牟岐線等（最大浸水深6 m以上）

路線図

（松山・高松・鳴門方面） - 徳島南部自動車道 - 桑野道路 - 福井道路 - 日和佐道路 - （美波～牟岐～海部） - 海部野根道路 - （安芸・高知方面）

通過市町村

徳島県
阿南市

インターチェンジなど

供用されていない施設や未完成の施設は背景色で示されています。未開通区間の名称は仮称です。

主な橋・トンネル

橋

阿南IC - 長生IC
下大野高架橋（296 m・徳島県道22号阿南勝浦線）
畑田川橋（67 m・畑田川）
三倉高架橋（400 m）
明谷高架橋（193 m）
長生IC - 桑野IC
明谷大橋（96 m ・桑野川）
内原高架橋（368 m・JR牟岐線・国道195号 ・徳島県道286号津乃峰筒崎線）

トンネル

阿南IC - 長生IC
下大野トンネル (720 m)
大谷トンネル (323m)
長生・明谷トンネル (1,228 m)
長生IC - 桑野IC
内原トンネル (1,193 m)

沿革

1994年12月: 阿南安芸自動車道全体が計画路線に指定。
2000年12月20日: 調査区間に指定。
2008年10月14日: 徳島県の担当で整備すると報道。
2009年11月24日: 徳島東部都市計画道路変更素案発表。
2009年12月 - 2010年1月: 都市計画変更に関する説明会・素案縦覧・公聴会。
2010年4月: 都市計画決定
2011年4月: 新規整備着手
2024年1月15日: 下大野トンネル掘削開始
* 2024年12月4日: 長生・明谷トンネル掘削開始

今後の開通予定

現時点では未定です。

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