桜丘町 (渋谷区)

桜丘町：渋谷の進化を象徴する街

東京都渋谷区桜丘町は、渋谷駅のすぐ南に位置する、住居表示実施済みの町です。丁目がなく、単独町名として存在しています。郵便番号は150-0031、150-6201～6239、150-6290と複数存在します。

地理と歴史

桜丘町は、1970年の住居表示実施により、旧町名の大和田町を町域に含むこととなりました。そのため、渋谷区文化総合センター大和田や、同施設と渋谷駅を結ぶバス路線名などに、その名残を見ることができます。かつては戸建住宅や個人商店が中心でしたが、1980年代以降はマンション建設が進み、1964年の東京オリンピック開催を機に首都高速3号渋谷線の開通、国道246号（玉川通り）の高架化に伴い、オフィスビルや商業施設が急増しました。

現在では、渋谷インフォスタワー、セルリアンタワー、渋谷区文化総合センター大和田といった高層ビルがそびえ立ち、渋谷の新たなIT拠点としての役割も担っています。セルリアンタワーは東急電鉄（現：東急株式会社）本社跡地再開発、渋谷区文化総合センター大和田は旧大和田小学校跡地に建設され、地域防災拠点としても機能しています。

渋谷駅西口歩道橋を渡ると、桜並木が美しい「さくら通り」があり、毎年春には多くの人の目を楽しませています。これらの桜は、かつて道玄坂のイベントで使用されたものが移植されたものです。以前は柳が植えられていました。2006年には「渋谷さくらフェスタ2006」が開催されるなど、地域を挙げて桜を大切にしている様子がうかがえます。現在も「さくら祭り」「七夕祭り」「桜丘秋祭り」といった地域イベントが毎年開催されています。

歴史を紐解くと、1907年には大和田小学校（後の渋谷区立大和田小学校）が開校しています。1928年には渋谷町の大字・小字区域で町名変更が行われ、「東京府豊多摩郡渋谷町桜丘」となりました。その後、東京市の区制変更を経て東京市渋谷区桜丘町となり、1970年には住居表示を実施。大和田町、鶯谷町、南平台町の一部を編入しました。1991年には道玄坂からソメイヨシノが移植され、現在の桜並木が形成されました。

近年では、2023年11月30日竣工を目指した大規模再開発事業「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業（Shibuya Sakura Stage）」が進められています。さらに、さくら通り周辺の再開発も計画されており、桜丘町の姿は今後大きく変わっていくことでしょう。

人口と経済

2023年1月1日時点の東京都発表によると、桜丘町の世帯数は1,202世帯、人口は1,762人です。2021年の経済センサス調査では、事業所数は1,026事業所、従業員数は16,293人に上ります。

教育・施設

桜丘町には、日本経済大学東京渋谷キャンパス、渋谷区住民自主管理施設 桜丘町施設、日本基督教団中渋谷教会などの施設があります。かつては渋谷区立大和田小学校、渋谷区立大和田幼稚園、渋谷区立桜丘保育園、ユーロスペース、渋谷会館、東洋会館、日本会館、ハマボウルなどが存在していました。

桜丘町を舞台にした作品

桜丘町は、いくつかの映画やテレビドラマの舞台にもなっています。例えば、1977年のTBSテレビドラマ『岸辺のアルバム』では、ラブホテルのシーンが桜丘町を舞台に撮影されました。また、2016年の欅坂46のデビューシングル『サイレントマジョリティー』のミュージックビデオでは、さくら通りが背景として使用されました。

まとめ

桜丘町は、歴史と近代的な発展が共存する、渋谷区を代表する町の一つです。渋谷駅へのアクセスも良く、商業施設やオフィスビル、そして豊かな自然も楽しめる魅力的なエリアとなっています。今後の再開発によって、さらに発展していくことが期待されます。

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