桜井龍子

桜井龍子について

桜井龍子（さくらい りゅうこ）は、1947年1月16日に福岡県大牟田市で生まれた日本の元最高裁判所判事です。彼女は、長年の官僚経験を経て、日本の法律界において重要な役割を果たしてきました。彼女の旧姓は藤井であり、最高裁判事としての活動を始める以前は、この姓で広く知られていました。現在は一般財団法人日本カメラ財団の理事長を務めています。

経歴

桜井は、福岡県立大牟田北高等学校を卒業後、1969年に九州大学法学部を卒業しました。在学中には著名な民法学者原島重義のゼミに所属し、国家公務員採用上級甲種試験に合格しました。

1970年には労働省に入省し、その後のキャリアでは数々の重要な役職を歴任しました。1986年には労政局労政課の中小企業労働対策室長に就任し、1990年には婦人局婦人福祉課長として女性の社会進出に寄与しました。1998年に女性局長となり、その後、内閣府情報公開審査会の委員や大阪大学大学院法学研究科の招へい教授としても活躍しました。

2008年に最高裁判所判事に就任し、戦後生まれの女性として初めてこの役職に就きました。2017年には定年退官し、その後も九州大学東京同窓会の会長を務めています。2018年には旭日大綬章を受章し、その功績が認められました。

人物

桜井龍子は、日本初の女性弁護士の一人である三淵嘉子に影響を受けており、彼女をモデルにしたNHKの連続テレビ小説『虎に翼』を熱心に視聴していました。ドラマの放映当初、彼女は自らの過去が再現されていると感じ、感情を抑えることができずに泣いてしまったと語っています。

裁判における業績

最高裁判事として、桜井は数々の重要な案件に関与しました。2009年には御殿場事件で被告人の上告を棄却し、2010年には日本航空機駿河湾上空ニアミス事故において、業務上過失傷害の上告を棄却する決定を下しました。また、オウム真理教の元教祖である麻原彰晃の再審請求も棄却しています。

2011年には、大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件で3人の元少年の上告を棄却し、死刑判決を確定させました。さらに、君が代処分取消訴訟での戒告処分に関する判決や、妊娠を理由とした女性の降格に対して違法とする判断を示すなど、女性の権利保護に貢献しました。

桜井龍子は、その法曹界での業績を通じて、労働問題や女性の権利向上に貢献することができました。彼女は日本の司法制度において重要な役割を果たし、その影響力は今もなお感じられています。

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