桜川 (青森市)

青森市桜川地区：過去と現在が交差する住宅地

青森市桜川地区は、1丁目から9丁目まで広がる地区で、桜川団地としても知られています。この地区は、1960年代前半に造成された団地を中心に発展しました。

概要

桜川団地は、かつて青森市中心部に住んでいた人々にとって憧れの地であり、高級住宅街として賑わっていました。商店も多く、活気に満ち溢れていましたが、時代の流れとともにその賑わいは薄れ、現在は静かな住宅街となっています。2001年には亀屋食彩館桜川店が閉鎖され、特に北部では商店が減少しています。

しかし、桜川地区には美しい自然も残されています。地区の中央を走る桜川中央通りには、桜の街路樹が植えられており、春には見事な桜のトンネルができます。この通りは、青森市内でも有数の桜の名所として知られ、多くの人々が訪れます。

駒込川を挟んだ対岸の松森地区には、青森テレビ・青森放送の本社があり、ローカル放送では桜川地区の風景が映し出されることもあります。また、リバーサイド桜川やみちのく銀行桜川支店は、近隣の松原、奥野地区に位置していますが、桜川の名前が使われています。

桜川という地名の由来については、「殿様を出迎えるために川岸に桜を植えた」という説がありますが、実際には桜川団地が造成された際に植えられた桜に由来します。

歴史

かつて、桜川地区は田園風景が広がる場所でした。荒川と駒込川の合流部付近に位置するため、全体的に湿地帯であり、田んぼや畑には不向きな土地でした。筒井村の子供たちの遊び場として親しまれていたと伝えられています。

1955年（昭和30年）：筒井町が青森市に編入され、青森市の一部となりました。
1960年代前半：現在の桜川で団地の造成が行われ、県営住宅、市営住宅が建設されました。
1969年（昭和44年）：洪水が発生し、255戸が浸水する被害を受けました。
1977年（昭和52年）：青森高校漕艇部艇庫が使用開始されました。
1984年（昭和59年）11月1日：青森市の妙見・桜川地区で住居表示が実施され、桜川一丁目から九丁目が設置されました。
2001年（平成13年）：スーパー亀屋桜川店が閉鎖されました。

名所

桜川中央通り

桜川中央通りは、桜の街路樹が連なる美しい通りです。春になると桜のトンネルができ、多くの人々を魅了します。この桜は、団地の造成と同時に植えられたもので、毎年春には桜祭りが開催されます。桜の開花時期には、その景観は圧巻ですが、桜の根の成長により歩道に凸凹が見られる箇所もあります。しかし、この桜こそが、桜川団地の名を青森市内に広く知らしめた要因であることは間違いありません。また、この地域の桜は、道路や排気ガスの熱の影響で、青森市内の他の地域よりも早く開花する傾向があります。

イベント

桜祭り

毎年4月後半には、桜川通り北部で桜川団地町会主催の桜祭りが開催されます。夜桜市とも呼ばれ、提灯が飾られた通りには多くの露店が並び、多くの人々で賑わいます。

地域ねぶた

夏には、子供たちが中心となって地域ねぶたが運行されます。桜川団地町会子供育成部と南桜川団地町会子供会指導部の二つの団体がそれぞれ主催しています。

河川と堤防

桜川地区には、東西に堤川（荒川）と駒込川という二つの二級河川が流れています。堤防はコンクリートで高く作られており、普段は川に直接触れることはできません。荒川では中州が現れることはほとんどありませんが、駒込川では水量が少ない場合に中州が現れることがあります。かつて、荒川と駒込川の合流地点付近は、戦国時代に堤ヶ浦として港湾に利用されたという記録もあります。

桜川地区の堤防は二段構造になっており、下段はコンクリートで固められています。増水時にはここまで水が来ることがあります。1969年の洪水で255戸が浸水したことを受け、上段の堤防は高く作られています。上段の堤防は、駒込川上流部を除き、ほぼ全てがアスファルトで舗装された道路となっています。駒込川沿いの堤防は自転車道となっており、自転車橋から荒川の下筒井橋まで続く道路も、自転車歩行者専用道路として整備されています。

ボート部

桜川地区の最北部、荒川と駒込川の合流地点付近には、青森高校、青森西高校、青森商業高校、青森中央高校のボート部が共同で利用している艇庫があります。正式名称は青森高校漕艇部艇庫ですが、現在では他の高校にもボート部が設立され、青森高校の漕艇部もボート部に名称変更したため、この名称は実情に合わなくなっています。艇庫のすぐそばには川に降りるスロープがあり、そこから練習を開始します。練習範囲は筒井橋から甲田橋までで、荒川や堤川の堤防を歩けば、彼らの練習風景を見ることができます。

白鳥

冬には、青森県の県鳥である白鳥が飛来します。橋の上から白鳥の姿を眺めることができることもあります。青森市中央部付近で白鳥を見ることができるのは堤川水系の河川のみであるため、貴重な光景と言えるでしょう。ただし、堤防が高く、餌を与えることが困難な上、夜にも鳴くため、近隣住民に必ずしも親しまれているとは限りません。

もう一度検索