桜美林大学短期大学部

桜美林大学短期大学部（おうびりんだいがくたんきだいがくぶ）は、東京都町田市常盤町に位置し、学校法人桜美林学園によって運営されていた日本の私立短期大学です。1950年、国内で最初に認可された149校の一つとして開学しました。設立当初の名称は桜美林短期大学でしたが、2002年に桜美林大学短期大学部に改称されています。2004年度の入学生を最後に学生募集を停止し、2007年4月27日に正式に廃止され、その歴史に幕を下ろしました。

教育理念と特色

短期大学は、桜美林大学と同様にキリスト教の思想を教育の基盤としていました。この理念に基づき、復活祭や聖霊降臨日、元旦礼拝といった宗教的な行事がキャンパス内で活発に行われていたことが特徴です。教育面では、開学以来一貫して英語教育に重点が置かれ、英語英文科が設置されていました。学生たちはこの学科で、語学・文学、英語ビジネス、国際秘書といった多様な専門分野を学ぶことができました。後に設置された家政科（改称後は生活文化学科）では、生活文化、インテリア、デザイン、生活情報などに関する科目が提供され、桜台セミナーハウスを活用した実践的な学習も行われていました。

国際的な視野を育むことにも注力しており、学生は以下のような海外留学・研修プログラムに参加する機会が設けられていました。

長期留学プログラム: アメリカ合衆国、カナダ、ニュージーランドでの学修
短期留学プログラム: アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国への派遣
* 国際協力研修プログラム: フィリピン、インド、バングラデシュ、ドイツでの研修

学科構成と沿革

1950年の開学時には英語英文科（入学定員100名）のみでしたが、1955年には家政科（入学定員40名）が増設され、2学科体制となりました。その後、両学科ともに入学定員が増加し、多くの学生を受け入れましたが、1989年に家政科は生活文化学科に名称が変更されました。時代の変化に合わせて学科の改編が行われ、1999年度をもって生活文化学科の学生募集が終了し、再び英語英文科のみの体制となりました。そして、2004年度を最後に短期大学全体としての学生募集が停止されるまで、英語英文科が短期大学の唯一の学科として存続しました。

施設と環境

短期大学独自の校舎がキャンパス内に設置されていましたが、学生食堂は大学と共通の施設である文哉館、老実館、清友会館、ローズホールなどが利用されていました。また、女子学生向けに、学園が直接運営する桜寮、崇貞寮や、外部委託の桜美林ハイツといった学生寮が利用可能でした。

取得可能な資格と研究

カリキュラムを通じて、英語英文科の学生は中学校教諭二種免許状（英語）を、生活文化学科の学生は中学校教諭二種免許状（家庭）を取得することが可能でした。学術研究活動としては、『桜美林短期大学紀要』や『桜美林短期大学紀要 家政学編』といった研究紀要が発行されていました。

関係者と卒業後の進路

歴代学長の中には、創設者である清水安三氏が名を連ねています。また、元政治家やタレント、ファッションモデル、講談師、気象予報士など、多岐にわたる分野で活躍した著名な卒業生を輩出しています。

卒業生の進路としては、系列である桜美林大学への編入学が主な進路の一つでしたが、それ以外にも、横浜国立大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、津田塾大学など、国公私立を問わず多くの四年制大学へ編入学する実績がありました。

短期大学の終焉

2004年度に学生募集を停止した後、在学生が卒業するまで運営が続けられ、最終的に2007年4月27日をもって正式に廃止されました。半世紀以上にわたり、キリスト教に基づいた教育と国際交流、そして専門分野での学びを提供し、多くの卒業生を社会に送り出した短期大学の歴史はここで幕を閉じました。

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