桟橋駅

桟橋駅（北海道）

桟橋駅は、かつて北海道小樽市手宮地区に存在した北海道炭礦鉄道（後の鉄道院手宮線）の貨物駅（廃駅）です。石炭輸送の要として、短い期間ながらも重要な役割を果たしました。

概要

1879年（明治12年）、幌内炭鉱からの石炭を本州へ輸送するため、小樽港に石炭積み出し用の手宮桟橋が建設されることになりました。翌1880年（明治13年）には、北海道開拓使によって官営幌内鉄道が手宮 - 札幌間に敷設され、同時に手宮桟橋から手宮駅までの貨物線も敷設されました。

1893年（明治26年）には手宮桟橋の延伸工事が行われ、その際に貨物駅として桟橋駅が手宮桟橋上に開設されました。駅の目的は、内地からの移民や物資の輸送、そして内地への石炭出荷でした。

しかし、手宮桟橋の老朽化が進み、1901年（明治34年）に貨物線が停止。同時に桟橋駅も廃止されました。わずか8年ほどの短い歴史でした。

1911年（明治44年）には、新たな高架桟橋が小樽港に建設され、高架桟橋から手宮駅までの貨物線が再び敷設されましたが、桟橋駅が高架桟橋上に再開設されることはありませんでした。高架桟橋は1944年（昭和19年）に戦争の標的となることを避けるため上部が解体・撤去され、1961年（昭和36年）には基部も解体・撤去されています。

沿革

1880年（明治13年）
10月17日：鉄道機材を積んだ米国貨物船が手宮桟橋に接岸。積込線敷設を開始。
12月：手宮桟橋設置および積込線敷設完了。手宮 - 手宮桟橋間の貨物線が開業。
1889年（明治22年）12月11日：北海道炭礦鉄道の貨物線となる。
1893年（明治26年）3月26日：手宮桟橋延長工事が竣工し、手宮 - 手宮桟橋間の貨物線を再開。手宮桟橋に貨物駅として桟橋駅が開業。
1901年（明治34年）11月6日：手宮桟橋老朽化により、手宮 - 手宮桟橋間の貨物線を停止。同時に桟橋駅も廃止。
1906年（明治39年）10月1日：北海道炭礦鉄道の鉄道路線が国有化され、国有鉄道に移管。
1909年（明治42年）10月12日：国有鉄道線路名称設定により、小樽駅（初代、現在の南小樽駅） - 手宮駅間が手宮線となる。
1911年（明治44年）12月：木造の高架桟橋が竣工し、手宮桟橋を廃止。
1912年（明治45年）6月：高架桟橋の使用開始に伴い、手宮 - 高架桟橋間の貨物線が再開。
1944年（昭和19年）9月：戦時中の攻撃目標となることを避けるために高架桟橋の上部を解体・撤去。
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道法施行に伴い、手宮線が日本国有鉄道（国鉄）に継承。
1961年（昭和36年）：高架桟橋の基部を解体・撤去。

廃止後の状況

桟橋駅は廃止後、その姿を留めていません。しかし、手宮線の歴史を語る上で欠かせない存在として、その名は記録されています。

隣の駅

北海道炭礦鉄道（貨物線）

手宮駅 - 桟橋駅

参考文献

新潮社編 今尾恵介監修 日本鉄道旅行地図帳第1号「北海道」 ISBN 978-4-10-790019-7

外部リンク

第2章 成長する鉄道 - 小樽商工会議所
北海道大学北方関係資料総合目録｜手宮鉄道桟橋遠景 / 武林盛一（札幌・東京） - 北海道大学
1887年代（明治20年代）の手宮桟橋の遠景写真あり

関連項目

日本の鉄道駅一覧
廃駅
浜小樽駅

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