梶井純

梶井純の生涯と業績

梶井純（かじい じゅん）、1941年1月2日生まれ、2019年7月23日没。本名は長津忠。日本の漫画評論家として知られ、特に貸本漫画を主な評論の対象にしていた彼は、東京都出身です。その著書や評論を通じて、日本の漫画文化に多大な影響を与えました。

略歴

梶井は、東京都豊島区目白に生まれ育ちました。1963年に中央大学経済学部を卒業し、出版業界に足を踏み入れることになります。最初は出版社に勤務、その後編集プロダクションの代表を経てフリーの評論家として活動を開始しました。彼のキャリアの中で、特に注目すべきは1960年代から70年代にかけての活動です。

トキワ荘との関連

十代の若かりし頃、トキワ荘に近い場所に住んでいた梶井は、当時の漫画家たちとの交流を持っていました。また、小学生の頃から野球に情熱を注いでおり、高校や大学でも野球部に在籍していました。ただし、大学では準硬式野球部に加入するも、1年の途中で退部しています。

漫画評論誌『漫画主義』創刊

1967年、梶井は石子順造、権藤晋、菊池浅次郎（山根貞男）とともに、日本で初めての漫画評論誌『漫画主義』を創刊しました。この雑誌は、その後の漫画論において重要な役割を果たしました。1972年からは『週刊読書人』にて7年間にわたりマンガ時評を連載し、さらなる影響力を持つ存在となります。

執筆活動と文化研究

彼の著書『戦後の貸本文化』は、かつては盛んであった貸本文化を詳細に研究した貴重な資料とされています。しかし、著名な評論家である呉智英からは、その内容について批評を受けることもありました。彼はまた、1999年に「貸本マンガ史研究会」を結成し、同会の機関誌に貸本漫画に関するいくつかの貴重な評論を寄稿しました。

趣味とその他の業績

梶井は骨董品にも深い興味を持ち、骨董に関する著書も複数執筆しています。このように、彼の活動は漫画だけに留まらず、幅広い文化的な関心を持っていました。彼の作品や評論は、日本の漫画界のみならず、文学や美術の領域にも影響を与え続けています。

死去

梶井は2019年7月23日、東京都荒川区の病院で虚血性心疾患のため逝去しました。享年78歳という短い生涯でしたが、彼の残した業績は今も多くの人々に評価され続けています。

著書一覧

彼の著作には、以下のようなものがあります：

• - 『戦後の貸本文化』(1979年)
• - 『骨董紀行 満身創痍の風格』(1992年)
• - 『トキワ荘の時代 寺田ヒロオのまんが道』(1993年)
• - 『貸本マンガreturns』(2006年)

彼の業績は日本の漫画文化や評価において重要であり、後の世代にも大きな影響を与えることとなりました。

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