森下和哉

森下 和哉（もりした かずや）氏は、1965年5月30日生まれのNHKシニアアナウンサーです。埼玉県立川越高等学校を経て明治大学政治経済学部を卒業後、1989年にNHKに入局しました。

キャリアの初期は地方放送局で経験を積みました。まず新潟放送局に勤務し、新潟県内のニュースや中継、リポートなどを担当しました。その後、山形放送局に移り、同様に山形県のニュースや中継、リポートに加え、『イブニングネットワークやまがた』を担当しました。続いて松山放送局では、愛媛県や四国地方のニュース、情報番組の『てれごじ。』などを担当し、地域に根差した活動を行いました。

2000年からは東京アナウンス室に籍を置き、全国放送の番組を担当するようになります。この時期には、音楽番組の『BEAT MOTION』（2000年4月 - 2002年4月6日）や、お笑い番組の『爆笑オンエアバトル』（2000年4月 - 2002年3月）の司会を務め、幅広いジャンルに対応できるアナウンサーとしての才能を発揮しました。特に『爆笑オンエアバトル』では、2000年7月30日の収録時に、出演者であったお笑いコンビの底ぬけAIR-LINEとアンタッチャブルから、「司会ぶりは何KBなのか」というユニークな視点で評価される一幕がありました。その場で審査員の持つボールがすべてバケツに流れ込むという、通常では考えられない出来事が起こり、この様子は後の番外編で放送され大きな話題となりました。また、この時期には年末の特番『あなたが選ぶ思い出の紅白・感動の紅白』（2001年12月）や、『ふるさと自慢 うた自慢』（2002年4月 - 2003年3月）も担当しました。

NHKアナウンサーとしてのキャリアの中でも特筆すべきは、2001年にスクウェア（現：スクウェア・エニックス）の人気ゲームソフト『ファイナルファンタジーX』に、作中に登場する架空のスポーツ「ブリッツボール」のアナウンサー役として声の出演を果たしたことです。公共放送であるNHKのアナウンサーが商業ゲーム作品に声優として参加することは極めて異例であり、当時大きな注目を集めました。

再び地方局勤務となった秋田放送局時代には、秋田県内のニュースや中継、リポートを担当。2006年の『秋田大曲全国花火競技大会』では中継も担当しました。二度目の東京アナウンス室勤務では、『NHK BSニュース』のキャスターや教養番組『おしゃべりクイズ疑問の館』の司会を務めるなど、報道から情報番組まで幅広く活躍。ラジオ番組『ここはふるさと旅するラジオ』にも携わり、副部長（ラジオ・総務担当）として管理業務も兼務しました。

その後は京都放送局へ。ここではニュース番組の担当に加え、『ニュース630 京いちにち』や『ぐるっと関西おひるまえ・京都』で編集責任者を務め、放送部副部長（アナウンス統括）として、京都放送局制作番組の品質管理や後進のアナウンサー指導・統括に携わりました。さらに青森放送局では、青森県内のニュースを担当しつつ、『あっぷるワイド』などで編集責任者を務め、ここでも放送部副部長（アナウンス統括）として、青森放送局制作番組全体やアナウンス部門の責任者としての役割を担いました。

近年では日本語センターに所属し、2021年度下期の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』にニュース担当アナウンサーとして声のみ出演するなど、その活動は多岐にわたります。報道現場でのリポートから、バラエティ、教養番組の司会、全国ネットのキャスター、そして地方局での番組制作やアナウンス部門を率いる管理職に至るまで、森下氏はNHKアナウンサーとして非常に幅広く、かつ異色のキャリアを歩んできた人物と言えるでしょう。ゲーム作品への参加という特筆すべき経験も含め、その多様な活躍は多くの人々に知られています。

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