森山茂

森山茂

森山茂（もりやま しげる、天保13年9月25日（1842年10月28日） - 大正8年（1919年）2月26日）は、幕末から明治にかけて活躍した日本の外交官、政治家です。外交官としては朝鮮との外交交渉に深く関わり、退官後は元老院議官、富山県知事、貴族院議員などを務めました。

生い立ちと初期の経歴

森山茂は、天保13年（1842年）に大和国（現在の奈良県）に、儒学者の萱野恒次の長男として生まれました。後に森山家を継ぎます。明治維新後、兵庫裁判所に出仕し、明治2年（1869年）に外国官書記として外務省に入省。外務省創立に伴い、外務少録に任じられました。

朝鮮との外交交渉

森山は、日朝関係の調査のため、対馬藩と釜山に出張。明治3年（1870年）には、吉岡弘毅の随行として朝鮮に派遣され、修好を求めました。しかし、朝鮮側は対馬藩吏以外の会見を拒否したため、一旦帰国することになります。翌年、廃藩置県により外交権限が外務省に移管された後、再び朝鮮との交渉に臨むも、不調に終わりました。

その後も、森山は朝鮮との外交に尽力し、明治6年（1873年）に朝鮮で排外論を唱える大院君が引退、訓導・安東晙が刑死したことを受け、朝鮮へ派遣され、日朝関係の樹立に向けて協議を行いました。明治7年（1874年）には、正式代表として平壌へ赴きましたが、洋式礼服着用を主張し、朝鮮側と激しく対立。最終的には、黒田清隆の随員として日朝修好条規締結交渉に携わりました。

その後の活躍

明治10年（1877年）に外交官を退官後、元老院権大書記官・大書記官を務め、明治20年（1887年）には元老院議官に就任しました。明治23年（1890年）から2年間は富山県知事を務め、その後は貴族院議員として、その生涯を終えるまで政治の世界で活躍しました。明治32年（1899年）には錦鶏間祗候を仰せ付けられています。位階は従三位勲二等。

逸話と親族

森山には、幕末期に鬱陵島の開拓を志したものの、明治維新によって断念したという逸話があります。また、明治8年（1875年）には、強硬な対朝鮮政策を主張したことも記録されています。

森山の親族には、儒学者である実父の萱野恒次、建築家として台湾で活躍した長男の森山松之助、五代友厚の後妻となった実妹の豊子などがいます。森山家は、日本の歴史に名を残す多くの人物を輩出した一族と言えるでしょう。

まとめ

森山茂は、激動の時代を外交官、政治家として駆け抜けた人物です。朝鮮との外交交渉という難しい課題に立ち向かい、日本の近代化に大きく貢献しました。その功績は、現代においても高く評価されています。

栄典

1886年（明治19年）11月16日 - 正五位
1894年（明治27年）12月28日 - 正四位

勲章等

1888年（明治21年）5月29日 - 勲四等旭日小綬章
1889年（明治22年）11月25日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1890年（明治23年）6月30日 - 勲三等瑞宝章
1916年（大正5年）4月1日 - 勲二等瑞宝章

参考文献

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
内閣・大正8年「森山茂特旨叙位ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.A11112688700

関連項目

日朝修好条規
征韓論

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