森川信

森川信（もりかわ しん）についての詳細

森川信（もりかわ しん）は、1912年2月14日に神奈川県横浜市で生まれ、1972年3月26日に他界した日本の俳優であり、コメディアンです。本名は森川義信で、俳優としてのキャリアは多岐にわたります。彼は商業学校を卒業するも、銀行で働きながら演劇の道へ進むため、演劇学校に通っていました。

俳優としての道のり

商業学校卒業後、無名の俳優を目指す森川は、1931年に親戚にあたる俳優・静香八郎と共に俳優としての道を歩み始めました。1932年には静香が主演する映画『肉弾三勇士』で死体役としてデビュー。しかし、当初は浅草の演劇界での競争が厳しく、著名なエノケンやロッパに挑戦しなければならない状況でした。

その後、森川は大阪や名古屋、京都、博多など各地でパフォーマンスを行い、次第に多くの仲間と出会いながら、1934年には「森川信一座」を結成。座長として活動を開始します。この時期、作家の坂口安吾からも高い評価を受けました。

1943年には松竹と契約し、さらに舞台や映画での活動を広げます。1948年からは岸井明と「のらくらコンビ」を組み、コミカルな演技で人気を集めました。1953年にはフリーとなり、その後テレビの普及と共にテレビ出演も増え始めます。特に1960年代には新宿コマ劇場での喜劇で評判になります。

代表作と功績

森川信は、アニメ『サザエさん』で磯野波平役として出演し、これが彼の代表作の一つとなりました。また、映画『男はつらいよ』では初代おいちゃん（車竜造）役を演じ、その名セリフ「バカだねぇ…」が日本映画史に刻まれることになります。この役は、彼のコミカルな演技力が評価され、監督の山田洋次も彼の存在感を高く評価していました。

森川は、数多くの映画作品に出演し、その多くは今日ではあまり知られていないものの、最後の3年間に関わった8本の『寅さん』シリーズが、彼の名を世に残す代表作となっています。これをきっかけに彼の芸風は半世紀以上にわたり語り継がれることとなります。森川は、1972年に肝硬変が悪化し、60歳でこの世を去りました。彼の死に際しては、多くの仲間たちが彼の回復を願って泣き叫んだと伝えられています。

私生活と影響

若い頃の森川は「遊郭で遊ぶよりも、女性が寄ってくる」と言われるほどモテており、仲間たちには「女に金を使うのではなく、女が金を使ってくれる方が一流だ」と豪語していたという逸話があります。また、彼は生涯を通じて多くの人々に愛される存在でありました。

森川信の墓所は横浜市の久保山墓地にあり、彼の遺産は後世の日本のエンターテインメントに大きな影響を与え続けています。彼の名作やユーモアが今なお多くの人々に親しまれていることは、彼の偉大な才能の証拠と言えるでしょう。

出演作品一覧

森川信は多くのテレビドラマや映画に出演しており、彼の業績はその豊富な作品リストに示されています。彼が関わった作品の中には、戦後初のキスシーンが含まれる映画や、日本を代表する喜劇の数々があり、常に新しい挑戦をし続けていました。

もう一度検索