森明子 (文化人類学者)

森 明子（もり あきこ）とは

森明子は1957年生まれの日本人文化人類学者であり、国立民族学博物館のグローバル現象研究部で教授を務めている。彼女の専門は中部ヨーロッパの民族誌や歴史人類学であり、特にドイツとオーストリアにおける文化や歴史に深い知見を持っている。さらに、総合研究大学院大学でも文化科学研究科の併任教授として教育活動にも力を入れている。

学歴と職歴の歩み

森氏は筑波大学大学院で歴史・人類学研究を学び、同大学院の博士課程を修了後、1990年には歴史･人類学系の助手として職務を開始した。最初は国立民族学博物館の第三研究部に所属し、1993年には助教授に昇格。その後、1998年には民族社会研究部の助教授に就任した。2005年には研究戦略センターの助教授となり、翌2006年には教授に昇格し、2011年に民族文化研究部教授に転任した。2017年4月から現在にかけては、グローバル現象研究部の教授として活躍している。

研究分野と主な著作

森明子の研究は、主に中部ヨーロッパの民族誌や歴史に関連している。彼女の著作は多岐にわたり、民族文化や社会構造、また文化の変遷について深く探求している。以下は彼女の主な著作の一部である。

単著

• - 『土地を読みかえる家族 ― オーストリア・ケルンテンの歴史民族誌』（新曜社、1999年）

この著作では、オーストリアのケルンテン地方における家族と土地の関係を通じて、地域社会の変化を考察している。

共著

• - 『民族 近代ヨーロッパの探求10』（大津留厚、野村真理、伊東信宏、岡本真理、進藤修一との共著 ミネルヴァ書房）

近代ヨーロッパにおける民族文化の動態を探る共同研究の成果である。

編著

• - 『歴史叙述の現在 ─ 歴史学と人類学の対話』（人文書院、2002年）
• - 『ヨーロッパ人類学 近代再編の現場（フィールド）から』（新曜社）
• - 『ヨーロッパ人類学の視座 ソシアルなるものを問い直す』（世界思想社、2014年）
• - 『ケアが生まれる場 他者とともに生きる社会のために』（ナカニシヤ出版、2019年）

これらの編著は、歴史学と人類学の相互作用や、近代社会を構成する側面について考察しており、多くの研究者や学生に新たな視点を提供している。

まとめ

森明子は、日本における文化人類学の重要な研究者であり、その業績は歴史や社会の多様な側面を深く掘り下げている。特に中部ヨーロッパに焦点を当てた彼女の研究は、文化とアイデンティティに関する理解を深める手助けとなっている。

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