森昭治

森昭治について

森昭治（もり しょうじ）は、1943年9月7日に生まれ、2018年4月18日に亡くなった日本の官僚です。大蔵省（現財務省）に入省後、金融庁長官などの要職を歴任し、日本の金融行政に大きな影響を与えました。特に、金融危機時の金融機関の再建や、金融システムの安定化に尽力したことで知られています。

生い立ちと学歴

東京都出身の森昭治は、港区立笄小学校、麻布中学校・高等学校を経て、東京大学に進学しました。東京大学法学部第1類（私法コース）を卒業後、1966年に大蔵省に入省しました。

大蔵省・金融庁でのキャリア

大蔵省入省後、森昭治は主税局国際租税課に配属され、キャリアをスタートさせました。その後、フランス留学や、大蔵省主計局調査課調査係長、藤枝税務署長、国税庁間税部酒税課長補佐などを経て、国際畑を歩むことになります。アフリカ開発銀行、在イギリス日本国大使館、大蔵省関税局、日本輸出入銀行パリ事務所など、海外での勤務も経験しました。大蔵省国際金融局では、投資第三課長、外資課長、国際機構課長を歴任。また、アジア開発銀行理事も務めています。1991年には、在アメリカ合衆国日本国大使館公使に就任。1994年には、大蔵省証券局担当審議官兼金融商品取引所監理官に就任し、証券行政にも携わりました。1995年には東京国税局長に就任しましたが、1996年に大蔵省を依願退官しました。

その後、損害保険料率算定会副理事長を務めましたが、1998年に新設された総理府金融再生委員会事務局長に抜擢され、金融危機対応の最前線に立つことになります。日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の破綻処理を指揮し、金融システムの安定化に貢献しました。2001年には、金融庁長官に就任。柳沢伯夫金融相の下で、メガバンクなどの大手銀行の再建に取り組みました。また、自動車の自賠責保険に関する制度改正にも関わり、国土交通大臣との連名で、自賠責法の指定紛争処理機関に自賠責共済紛争処理機構を指定しました。

その後の活動と晩年

2002年に金融庁顧問に就任後、2003年には住宅金融公庫副総裁に、2005年には国際経済研究所副理事長に就任しました。また、2006年には東京ガスの監査役も務めています。長年の功績が認められ、2014年には瑞宝重光章を受章しました。2018年、食道がんのため74歳で逝去。叙従四位。

人物像

森昭治は、その冷静沈着な判断力と、困難な課題に立ち向かう不屈の精神で、多くの人から信頼されていました。金融行政の専門家として、金融機関の再建や金融システムの安定化に尽力し、日本の経済発展に大きく貢献した人物です。

主な役職

総理府金融再生委員会事務局長
金融庁長官
住宅金融公庫副総裁
国際経済研究所副理事長


森昭治は、日本の金融史に名を刻む人物として、その功績は長く語り継がれるでしょう。

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