森本厚吉

森本厚吉

森本厚吉（もりもと こうきち、1877年3月2日 - 1950年1月31日）は、日本の経済学者、教育者、文化生活研究家として、明治・大正・昭和の時代に多岐にわたる分野で活躍しました。北海道帝国大学教授、東京文化学園創立者であり、Ph.D.（経済学）、法学博士の学位を持ちます。京都府舞鶴市（舞鶴田辺）出身。

生涯

増山純一郎の三男として京都府舞鶴田辺に生まれた森本厚吉は、幼少期から教育を受け、横浜英和学校、東洋英和学校で学びました。その後、札幌農学校（現：北海道大学農学部）に進み、農業経済学を専攻。有島武郎との共著『リビングストン』を出版するなど、早くから文筆活動も行いました。

1901年に札幌農学校を卒業後、仙台市の私立東北学院で教鞭を執り、歴史および経済学を担当しました。1903年からはアメリカへ留学し、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で経済学と歴史学を専攻。1916年には同大学院でPh.D.（経済学）を取得しました。

帰国後は、東北帝国大学農科大学（後の北海道帝国大学農学部）で教鞭を執り、経済学、財政学などを担当。教務主任も務めました。また、小樽高等商業学校（現：小樽商科大学）の講師も兼任しました。

1922年には、有島武郎が狩太農場を開放した際、その経営を依頼され、農政学および農業経済学講堂主任に就任しました。1924年には、財団法人文化普及会を設立し、文化の普及活動にも尽力しました。

1927年には、女子文化高等学院（後の東京文化短期大学、東京文化学園大学）を創設し、教育者としての活動を本格化させました。新渡戸稲造を校長に迎え、自身は副校長として学校運営に携わりました。

戦後は、長野県に木曽産業学校を設置し、戦災復興事業にも着手。東京経専中学校、同高等学校校長にも就任しました。1950年1月31日に逝去。多磨霊園に埋葬されました。

学位

1916年（大正5年）6月：Ph.D.（経済学）（ジョンズ・ホプキンス大学）
1918年（大正7年）7月：法学博士（北海道帝国大学）

主な著書

『リビングストン』警醒社 1901.3（有島武郎と共著）
『The Standard of Living in Japan』ジョンズ・ホプキンス大学 1918
『生活問題』同文館 1920.3
『ほろびゆく階級』同文館 1924.7
『成長する愛の生活』同文館 1924.8
『話方の経済』広文堂 1925.6
『アパートメント・ハウス』文化普及会 1926.1
『今日の問題』文化普及会 1927.2
『苦悶の経済生活』広文堂 1929.11
『家政学通論』大明堂書房 1949.5

関連人物

新渡戸稲造
有島武郎
吉野作造
内村鑑三
* ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

森本厚吉は、経済学の研究者としてだけでなく、教育者、文化人としても幅広い分野で活躍し、日本の社会に大きな影響を与えました。

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