森田浩介

森田浩介のプロフィール

森田浩介（もりた こうすけ）は、日本における実験核物理学の専門家であり、1957年1月23日に生まれました。彼は北九州市若松区で育ち、現在は九州大学大学院理学研究院の教授として教鞭を執っています。また、国立研究開発法人理化学研究所の仁科加速器研究センターにおいて、超重元素研究グループのディレクターを兼任しています。

学歴と経歴

森田博士は、1972年に別府市立中部中学校を卒業し、その後1975年に大分県立別府鶴見丘高等学校を卒業しました。1979年には九州大学理学部を卒業し、1984年に同大学大学院理学研究科物理学専攻の博士後期課程を修了。その後、理化学研究所サイクロトロン研究室で研究員補としてキャリアをスタートさせました。1993年には九州大学で理学博士の学位を取得し、理化学研究所において先任研究員としての地位を確立しました。2003年以降は、113番元素に関する研究を進め、2004年には同元素の発見に成功しました。

113番元素「ニホニウム」の発見

森田博士が注目される理由の一つは、113番元素「ニホニウム」の発見です。この発見は、彼の研究グループによって実施された加速器実験によって実現しました。具体的には、質量数70の亜鉛（70Zn）を光速の約10%にまで加速させ、質量数209のビスマス（209Bi）と衝突させるという形で行われ、初めて113番元素が合成されました。2004年7月23日には、この結果が初期解析され、生成された物質が113番元素であることが確認されました。そして、同年9月28日にこの成果が公式に発表されました。

その後も、実験は継続され、2005年には2つ目の113番元素の合成に成功しますが、観測された崩壊経路の一種類しか確認されず、命名権を獲得するには至りませんでした。しかし、森田博士と彼の研究チームはこれに懸命に立ち向かい、2008年から2009年にかけて266Bhの合成に成功しました。2012年には新たな崩壊経路によって3つ目の113番元素を確認し、2015年にはIUPACから正式な命名権を認められ、元素名は「ニホニウム（Nh）」と決定されました。

受賞歴

森田博士の業績は多数の賞によって評価されています。2005年に受賞した仁科記念賞や井上学術賞、さらに2016年には日本学士院賞を受賞するなど、彼の研究成果は国内外で高く評価されています。また、113番元素研究グループの代表者として、朝日賞も受賞しました。

研究活動とエピソード

森田博士は研究活動において、科学の発展を目指し、多くの若手研究者の育成にも貢献しています。彼は新潟大学および東京理科大学での客員[[教授]]を経て、他の大学でも集中講義を行っています。

また、113番元素の合成にまつわるエピソードとして、自身の願掛けとして毎年初詣の際に賽銭を113円にすることや、関連する道を利用することを続けていたことが知られています。これらの体験は、彼の研究活動への強い意志を示すものです。

森田浩介博士は、日本の物理学界における重要な人物として、今後も超重元素の研究を通じてさらなる貢献が期待されています。彼の目指す119番元素や120番元素の発見が、今後の研究の成果としてどのように実を結ぶのか注目が集まっています。

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