ニホニウム

ニホニウム (Nihonium)

ニホニウム（Nihonium）は、原子番号113、元素記号Nhの超ウラン元素です。この元素は日本の理化学研究所によって発見され、日本初、そしてアジアで初めての新元素としても知られています。ニホニウムは2016年に正式に名称が決まり、正式名称が与えられるまで「ウンウントリウム」という名称で呼ばれていました。

名称の由来

「ニホニウム」という名称は、日本国に由来しています。この名称は、国際純正・応用化学連合（IUPAC）によるもので、発表前には「ジャポニウム」や「ジャパニウム」とも予想されていました。ニホニウムは周期表の第13族に属し、タリウムの下に位置しています。そのため、タリウムの前に位置づける「エカタリウム」の別名も持ちます。

歴史

ニホニウムの発見は、2004年に始まりました。この年、日本の理化学研究所の森田浩介博士を中心とする研究チームが、線形加速器RILACを用いて亜[[鉛]]原子核をビスマス原子核に衝突させることで、「113番元素」の合成に成功しました。この実験は80日間続き、毎秒約2.8兆回の衝突が行われました。そこで生成された113番元素は344マイクロ秒後にアルファ崩壊を経てレントゲニウムの同位体に変化したことが確認されました。

その後も様々な研究機関が113番元素の合成を試みましたが、命名権を巡る争いが続きました。2015年には、理化学研究所が合成した113番元素の確認が相次いでおり、その結果、IUPACから命名権を獲得することになりました。2016年6月、理化学研究所は「ニホニウム」という名称案をIUPACに提出し、11月には正式に名称が決定しました。

同位体

ニホニウムは安定同位体が存在せず、天然には存在していませんが、いくつかの放射性同位体が実験により合成されています。これまでに発見された同位体は質量数278、282から286などです。これらの同位体はいずれもアルファ崩壊によって崩壊しますが、284Nhは電子捕獲を起こす可能性があります。特に、最も長寿命な同位体286Nhの半減期は約20秒であるとされています。

その他の情報

理化学研究所の発見を記念して、埼玉県和光市では「ニホニウム通り」というシンボルロードが整備され、元素記号が記されたプレートや記念碑が設置されています。これにより、市民が理化学に触れやすい環境が整えられているのです。

結論

ニホニウムは、日本の科学界における偉業の一つであり、国際的にも注目される元素です。その発見や命名には多くの努力と協力があり、今後の研究にさらなる期待が寄せられています。

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