森鹿三

森鹿三（もり しかぞう）は、1906年（明治39年）に兵庫県神戸市で生まれ、1980年（昭和55年）に生涯を閉じた日本の東洋史学者です。京都大学名誉教授の称号を持ち、東洋史研究、特に古文書学と古代中国の歴史地理学において顕著な業績を残しました。

森鹿三は、旧制神戸第二中学校から第三高等学校文科丙類へと進み、1926年（大正15年）に京都帝国大学文学部東洋史学科に入学。1929年（昭和4年）に卒業後、東方文化学院京都研究所の助手となり、翌年には研究員として歴史地理学研究室で研究に従事しました。戦後、東方文化学院が京都大学の機関となると、1949年（昭和24年）に京都大学人文科学研究所教授に就任。1963年から1967年、そして1969年から1970年の二度にわたり同研究所の所長を務めました。1961年（昭和36年）には京都大学より文学博士号を授与され、1970年（昭和45年）に京都大学を定年退官し、名誉教授となりました。退官後は佛教大学文学部教授として教鞭を執りました。

森鹿三の研究は、東洋史の中でも、古文書学と古代中国の歴史地理学に焦点を当てたものでした。東方文化学院時代には、小川琢治の指導のもと、『水経注』の研究や清代疆域図の編纂に取り組み、資料研究と地図作成に尽力しました。『水経注』については、『中国古典文学大系』において邦訳（抄訳）を手がけています。

主な著作として、『東洋学研究 歴史地理篇』、『[本草学]]研究』などがあります。また、『歴史地理講座』、『図説世界文化史大系18 中国 第4』、『アジア歴史地図』、『世界の文化地理 第1巻 中国・朝鮮・モンゴル』、『東洋の歴史 第4巻 分裂の時代』など、多数の共編著も手掛けています。校注・訳では、『茶道古典全集 第2巻 喫茶養生記』や『中国古典文学大系 21 [[水経注]』などがあります。

森鹿三の学術的な貢献を記念して、『森鹿三博士頌寿記念論文集』が刊行されました。また、「森鹿三教授著作目録」は、『東方學報』に掲載されています。

1980年（昭和55年）8月10日、森鹿三は肝硬変のため自宅で逝去しました。彼の研究は、東洋史研究における重要な礎となり、後世の研究者たちに多大な影響を与え続けています。

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