森鼻武芳

森鼻 武芳

森鼻 武芳（もりはな たけよし、1915年9月9日 - 1998年10月6日）は、日本の大蔵官僚であり、優れた銀行家として知られています。彼は北海道銀行で17年間頭取を務め、地方銀行の発展に大きく貢献しました。さらに、全国地方銀行協会の副会長や日本カーリング協会の会長、北海道公安委員会の委員長など多彩な役職を歴任しました。

人物背景

彼は東京に生まれ、1941年に旧制東京商科大学を卒業し、大蔵省に入省しました。同時期に入省した仲間には、後に東京銀行頭取や財務官を務める柏木雄介、関西電力副社長に就任する加治木俊道、そして総務庁長官や経済企画庁長官を歴任する塩崎潤などがいます。森鼻は彼らと協力し、太平洋戦争開戦に備えるための敵産管理法案の策定に関わりました。1942年にはジャワ軍政監部財務部に転任し、その後、陸軍司政官へも任命され、戦後は大蔵省に復帰して銀行局に勤務しました。

1998年に83歳で亡くなるまで、森鼻は多くの業界で重要な役割を果たしました。彼は1978年に北海道銀行の預金量が1兆円を達成するのを見届け、その実績をもとに同行を北海道の主要な銀行に成長させました。

銀行業務における貢献

1965年に北海道銀行に入行し、1967年には頭取に就任しました。彼は銀行の運営において本支店の一体化を進め、預金の増加を目指す「二十周年ビジョン」を打ち出しました。このビジョンは高度経済成長の影響もあり成功を収め、銀行の規模を拡大させる要因となりました。頭取在任中、森鼻は北海道銀行を名実共に北海道拓殖銀行に次ぐ第2の銀行へと成長させ、その地位を確立しました。

1984年、森鼻は頭取を退任し、会長に就任しました。彼の後任には元大蔵省大臣官房審議官の堀寛が頭取に選ばれました。

社会貢献と交友関係

森鼻は北海道経済連合会副会長や北海道開発問題調査会の会長も歴任し、地域振興にも積極的に関わりました。大学同期の大塚武（後に北洋相互銀行社長）とは親友であり、また、大塚が日本銀行札幌支店長に赴任していた際には、森鼻が専務を務めていました。彼らは共にゴルフや碁を楽しむ関係であり、大塚の不幸な遭難死まで深い友情を育んでいました。

論文と著作

森鼻は様々な論文や記事も執筆しており、経済に関する幅広い視点を提供してきました。主な著作には「日本経済の航路図」や「経済協力と日本」などがあります。これらの業績は、彼が経済問題について真摯に取り組んでいた証しです。

結論

森鼻武芳は、経済界において重要な影響力を持った人物であり、特に北海道における金融機関の運営を通じて地方経済の発展に寄与しました。その長いキャリアを通じて、多くの人々に影響を与え続けた彼の足跡は、現代でも多くの人々に語り継がれています。

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