植民地・インド博覧会

植民地・インド博覧会：1886年の壮大な展示

植民地・インド博覧会は、1886年5月4日から11月10日までロンドンのサウス・ケンジントンで行われました。この博覧会は、女王ヴィクトリアの開会によって始まり、主に商業を活発にし、英国帝国内の各地域の絆を強めることを目的としていました。この期間中、約550万人の来場者があり、博覧会は大きな成功を収めました。

多様な出展国と展示

博覧会には、イギリス領インド帝国をはじめとする各験国が出品しました。具体的には、自治領カナダ、オーストラリアの植民地、ニュージーランド、フィジー、各地のアフリカ及びカリブ海の島々など、多岐にわたる地域の展示が行われました。展示物の中には、ニュージーランドから運ばれたマオリの墓や、ラゴスからの儀式用の剣、海峡植民地のバッタ叩きといった独特なアイテムが含まれていました。

特に、西インド・ギャラリーで展示されたアルバート・ビアスタットの油彩『After A Norther』は、エドワード皇太子から高く評価され、注目を集めました。また、インドの美術品は藩王国ごとに分けられ、それぞれのエリアでは伝統や文化が反映された作品が紹介されました。

特筆すべき展示

ラージプーターナーの入口には、ジャイプル藩王国によって造られた壮大な門が設置され、訪問者を迎え入れました。また、グワーリヤル藩王国の門は、1883年のカルカッタ国際博覧会で展示されたものを借用してデザインされました。さらに、アーグラの監獄から来た数十名のインド人も、生活を彩る”生きた展示“の一環として紹介され、専門技能の訓練を受ける姿が報じられました。

自治領カナダの役割

自治領カナダは、農産物や工業製品を多く出展し、果物や農機具、楽器などが特に注目されました。この展示は後のイギリス市場での拡大に寄与したといわれています。カナダの多様な製品は、イギリスの消費者の関心を引き付ける重要な要素となりました。

博覧会の成功とその後

多くの来場者を集めたこの博覧会は、終了時には約3万5千ポンドの収益を上げました。その収益を基に、インペリアル・インスティテュートが設立され、1893年には博覧会での出典物の常設展示も始まりました。博覧会の象徴とも言えるジャイプル門は、1926年にホヴ博物館に寄贈され、数回の修復を経て2006年に再び公開されました。

植民地・インド博覧会は、文化交流を促進し、イギリスの帝国経済に影響を与えた重要な歴史的イベントとして位置づけられています。その多様な展示や文化的な側面は、現代においても関心を集め続けています。

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