椎名由香

椎名 由香

椎名 由香（しいな ゆか）は、1971年12月15日に埼玉県大宮市（現在のさいたま市）で生まれた日本の元女子プロレスラーです。彼女のプロフェッショナルなキャリアは、1992年から2006年までの約14年間に及び、全日本女子プロレス、ネオ・レディース、そしてNEO女子プロレスといった団体で活躍しました。

キャリアの始まり

椎名選手のリングキャリアは、1992年11月19日に全日本女子プロレスのリングで幕を開けました。東京・葛飾区総合スポーツセンターで行われたこのデビュー戦では、渡辺真美選手と対戦しました。全日本女子プロレスには1993年まで所属し、一度期間を空けた後、1994年から1997年まで再び在籍しました。

ネオ・レディース、そしてNEO女子プロレスへ

1997年には、後にNEO女子プロレスとなるネオ・ジャパン・レディース・プロレスリングへ移籍します。ここを新たな主戦場として、選手活動を続けました。

負傷と長期離脱

プロレスラーとしてのキャリアにおいて、怪我は常に隣り合わせです。椎名選手は1998年10月頃に頸椎を負傷し、これが原因で長期欠場を余儀なくされます。1999年、2000年とリングから離れ、その欠場期間は約2年半にも及びました。

困難を乗り越えての復帰

長いリハビリ期間を経て、椎名選手は2001年3月に待望のリング復帰を果たしました。復帰後は、豊富なキャリアと実力を活かし、団体の若手選手にとって大きな壁として立ちはだかり、その存在感を示しました。

特に復帰後の数年間は活発に試合を行い、2005年には様々な大会に出場しています。例えば、「息吹」と呼ばれる大会では、夏樹☆ヘッド選手やバンビ選手、市井舞選手、渡辺菜穂選手といった相手に対し、得意の腕ひしぎ逆十字固めで勝利を収めています。また、同年のミッドサマータッグトーナメントでは、当初予定していた木村響子選手が別のパートナーと組んだため、夏樹☆ヘッド選手をパートナーに指名し、トーナメントに出場しました（一回戦で敗退）。

2006年初頭には再び首の怪我に見舞われますが、リングに上がり続けました。この年も多くの試合をこなし、輝優優選手や中川ともか選手、春山香代子選手、渋谷シュウ選手、阿部幸江選手、仲村由佳選手、伊藤薫選手、希月あおい選手など、多岐にわたる選手と拳を交えました。

引退へ

2006年9月17日、後楽園ホール大会のリング上で、椎名選手は年内での現役引退を表明しました。そして、同年12月8日、長野県佐久創造館で行われた吉田万里子選手との対戦が、彼女のプロレスラー人生における最後の試合となりました。この試合は惜しくも敗北という結果でしたが、14年に及ぶキャリアに終止符を打ちました。怪我による長期離脱期間があったにも関わらず、これほど長い期間プロレス界に貢献したことは特筆されます。

得意技

椎名選手は関節技や固め技を得意としていました。主な得意技には以下のようなものがあります。

ジャンピング・ラリアット
STF（ステップオーバー・トーホールド・フェイスロック）
STS（ステップ・オーバー・トーホールド・ウィズ・シイナ） - STFとドラゴン・スリーパーを組み合わせた複合技です。
ラ・マヒストラル
腕ひしぎ逆十字固め
ぶら下がり式腕ひしぎ逆十字 - ロープ際で相手に腕ひしぎ逆十字を仕掛け、自身がエプロンに逆さ吊りになる形で絞め上げる独特な技です。
* スリーパーホールド

タイトルと入場曲

獲得したタイトルとしては、北沢タウンホール認定タッグ王座があります。

彼女の入場を彩ったテーマ曲は、「Stage Fight」（全日本女子プロレスのコンピレーションアルバムに収録）と「TIME AFTER TIME」でした。

椎名由香選手は、度重なる怪我と戦いながらもリングへの復帰を果たし、長きにわたり女子プロレス界の一線で活躍した選手です。特に若手選手にとっては、乗り越えるべき実力者として大きな存在でした。

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