椙山林継

椙山林継（すぎやま しげつぐ）は、1940年に千葉県に生まれた神道学者です。國學院大學名誉教授であり、祭祀考古学、特に神道学を専門としています。現在は八雲神社の宮司、そして祭祀考古学会の会長という要職も担っています。

椙山林継の学問的探求は、日本の神道と祭祀の源流と変遷を深く掘り下げるものです。考古学的な知見と神道に関する深い知識を融合させ、日本文化の基層にある精神性を解明しようと試みています。

生い立ちと初期の活動

1940年、椙山林継は千葉県に誕生しました。父親である椙山林麿もまた、神職にあり、八雲神社の宮司を務めていました。1956年、16歳という若さで、父が宮司を務める八雲神社の禰宜に就任。さらに、近隣の15の神社の禰宜も兼務するという異例のスタートを切りました。神職としてのキャリアを歩み始めた早い時期から、椙山林継は神道の世界に深く関わっていたことがわかります。

学問の道へ

國學院大學大学院に進学し、文学研究科博士課程を満期退学。その後、1976年に國學院大學文学部の講師に就任し、研究者としての道を歩み始めました。1983年には國學院大學日本文化研究所助教授となり、その後教授、そして所長へと昇進。長年にわたり、國學院大學において研究と教育に尽力しました。

研究活動と業績

2001年、「古墳時代祭祀の研究」で博士（歴史学）の学位を取得。長年の研究成果が結実したものです。同年、國學院大學を定年退任し、名誉教授となりました。著書も多数あり、祭祀考古学、神道学に関する重要な研究成果を発表し続けています。

主な著書

『入山峠』（軽井沢町教育委員会、1983年）
『近世神道神学の萌芽』（雄山閣、2014年）
『古代出雲大社の祭儀と神殿』（学生社、2005年） - 岡田莊司、牟禮仁、錦田剛志、松尾充晶との共著
『神道と日本文化』（戎光祥出版、2006年） - 岡田莊司、安蘇谷正彦、中西正幸、茂木栄、茂木貞純との共著
『祭りの考古学』（学生社、2008年） - 安斎正人、小野正文、黒沢浩、平川南との共著
『方形周溝墓研究の今：宇津木向原遺跡発掘40周年記念シンポジウム記録集』（雄山閣、2005年） - 山岸良二との共編
『原始・古代日本の祭祀』（同成社、2007年） - 山岸良二との共編
『神社継承の制度史』（思文閣出版、2009年） - 宇野日出生との共編
『日本の神々：完全ビジュアルガイド』（カンゼン、2010年） - 監修
『ほっとけない神様図鑑』（あいうえお館、2019年） - 監修

これらの著作からもわかるように、椙山林継の研究領域は多岐にわたります。古墳時代の祭祀、近世神道神学、古代出雲大社、祭り、神社制度史など、日本の歴史と文化における神道の役割を様々な角度から考察しています。

現代における意義

現代社会において、伝統的な祭祀や神道の精神は薄れつつあります。椙山林継の研究は、忘れ去られようとしている日本の精神文化の根源を再認識し、次世代に継承していくための重要な手がかりを与えてくれます。その学術的貢献は計り知れません。

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